石川達三の本
若い頃はよく本を読んだ。
学校へ行かなくても本は読んだ。
お金が無いので新刊書は買えない。だから古本屋で安い文庫本をさがした。
働くようになり、仕事の時間が増えると読書量も減った。
老眼になると本を読むのが億劫になり更に減った。
最近、再び本を読みたくなってきた。
今、読み返してみたいのは「石川達三」である。
『青春の蹉跌』や『僕たちの失敗』・『人間の壁』・『結婚の生態』 などの作品がある。
石川達三が30歳の時に『蒼氓(そうぼう)』 という作品で第1回の芥川賞を受賞している。
今から73年前の事である。
時代が変わって政治や文化が変わって人の考え方が変わっても、人の内面にある欲求や葛藤といった精神的なメカニズムは変わらないと思う。
なんだか軽い時代である感じがする。自分も軽い感じがする。何かに流されそうな・・・。
こういう時だから、あえて重いテーマの本を読みたいのかも知れない。
心のイカリを自分におろす意味で。