のほほん
唯我独尊で浮世のじゃれごと我関せずと、のほほんと生きていければ至福の想いだけで臨終の時を迎えられるだろう。
車の多い幹線道路から脇道に入った町はとても静かで、私はその中をのんびりと自転車をこぎながら、晴れた平日の昼下がりのゆるい風を体感していた。
校舎に沿った道を走っていると、前方から学校の制服を着た下校途中らしい小柄な少女が歩いてくる。
髪の長い茶髪の女の子。流行の小顔にコンパクトな化粧。短いスカートの制服。
そして・・・くわえ煙草・・・!
ここは高校ではなく中学校。この子は中学生。彼女の後ろの方では、同じ下校途中の生徒たちがそれぞれ友達とおしゃべりしながら歩いている。煙草は吸っていない。
学校のそばで、級友?のそばで堂々とタバコを吸う。この子の家庭を思う。この学校の卒業生である息子を思う。
ただ、わたしが世間知らずだけだったのかも知れない。
インベカヲリ★出町つかさ共著のルポ本には知らない世界に暮す女性たちの姿が描かれている。
生きることは大変です。
大変ですがどうやって生き延びるか。そして生きる方法に対して、どのような価値の尺度で測ればいいのか。
そんな事を考えさせる出来事と本でした。