府中公演の空き時間に、府中市美術館を堪能して来た。( ´∀`)


「春の府中はおもしろい!」と、美術史家の山下裕二さんに聞いて以来、府中の春の展覧会に注目している。


2024年は………

『春の江戸絵画まつり  ほとけの国の美術』

府中市美術館





仏教美術って、なかなか難しそう。仏教のことは、よく分からないし……。

仏教の絵は、仏教の教えを分かりやすく伝えるためにある。西洋の宗教画と同じ役割。

そう思ってた。しかし、それだけじゃなかった!

江戸時代、キリシタンを廃絶するために寺請制度が出来て、みんなお寺の檀家にならきゃいけなくなった。だから、みんなが濃い薄いはあっても仏教と関わりがあった。

そうすると、仏教の登場人物にも馴染みがあり、その中で人気のキャラクターが生まれてくる。例えば、「布袋」。七福神の1人として有名だが、元々は中国の禅宗のお坊さんだ。ぽっちゃりしてて、大きな袋を持っていて、ユーモラスに描かれる。



春叢紹珠(しゅんそう  しょうじゅ)
《皿回し布袋図》

かなりユーモラス。( ´∀`)
大道芸人になって皿回ししている。しかも頭で。





仙厓義梵(せんがい  ぎぼん)
《豊干(ぶかん)禅師図》


他に人気キャラといえば、中国の風変わりなお坊さんコンビ、寒山(かんざん)、拾得(じっとく)。

その師匠の豊干禅師も人気キャラ。いつも虎と一緒だ。

仙厓の絵は、脱力系で楽しくなる。笑いがこみ上げる。


本日の発見!

「江戸時代、仏教を楽しんでいた。」








禅宗を開いた達磨(だるま)って、いつも怪訝な、何とも言えない表情で描かれているそうだ。


偉い人だからって、かっこよく立派に描くのは平凡なんだとか。


禅って難しくて、禅の境地は言葉で表現できない。修行によってのみ到達できるそうだ。


だから、禅の開祖である達磨は、不可解な表情で描くらしい。




岩佐又兵衛《達磨図》 







そういえば、今まで観てきた白隠の達磨も、何とも言えない顔してたなあ。






いや~、やっぱり美術は、おもしろい。

( ´∀`)