「わけと回復と疲労」 | 福盛貴弘の脳炎日記

福盛貴弘の脳炎日記

日常生活で起きたことを素朴に書き記しています。
まずは、予告編2編をご覧ください。

栄養ドリンクのCMから「疲労回復」の言葉が消えた深いワケ

 

研究が進んだんやろうなと思っていたら、その通りだった。

疲労の原因がかなり分かってきているようだ。

 

まず、疲労を「生理的疲労(労働や運動による疲労)」と「病的疲労(特に原因がない疲労)」という2つに分けるんだと。

 

「リン酸化elF2α」が生理的疲労の原因物質なんだと。

病的疲労はそれ以外が原因ということになるようだ。

 

疲労感は「炎症性サイトカイン」という物質が脳に作用することで発生するとのこと。その作用で「休みなさい」という「生体アラーム」が生じるようだ。

 

で、体内の疲労因子を数えるのは無理なので、唾液中のヘルペスウイルスを数えて疲労度を測るそうである。生態的疲労の仕組みは以下の通りである。

 

体を動かしたときに細胞に負荷がかかる⇒乳酸が肝臓で代謝される⇒そのときに「タンパク質合成因子(elF2α)」がリン酸化されて疲労の疲労因子(リン酸化elF2α)になる⇒炎症性サイトカインが作られ、「疲労感」という生体アラームが発する

 

活性酸素による酸化ストレスは疲労の原因ではないんだと。

それは疲労のメカニズムではなく、老化のメカニズムなんだそうだ。

 

さて、栄養ドリンクやサプリメントに入っている「抗酸化物質」は、活性酸素に対するものなので、疲労回復に直接つながらないということになる。

 

疲労感を抑えるだけで、身体に残る疲労を取り除くわけではないということなんだと。だから、栄養ドリンクで回復した気になるのはまずいんだろう。

 

取り除いてない状態で、無理すれば、それこそ過労死が待っている。

疲れすぎたら、素直に休むのが一番ということになる。

 

なお、活性酸素を減らしていくのは悪いことではないとのこと。

そりゃそう。疲労につながるかどうかという問題の位相の違いなんで。

 

脳に行く炎症性サイトカインを減らせば、「うつ病」の引き金も減るという所見も示されている。これが過剰広告につながらなければいいのだが。