「脳と死ぬ前と生きる」 | 福盛貴弘の脳炎日記

福盛貴弘の脳炎日記

日常生活で起きたことを素朴に書き記しています。
まずは、予告編2編をご覧ください。

脳解剖で検証、「死の30秒前」に起きること
 

興味深い記事であった。

献体による脳の解剖からの所見である。

 

脳の構造は重層で成り立っている。

種として生存するのに必要な機能となる大脳基底核がある。

 

次に学習や記憶に関わる海馬や側頭葉がある。

そして、外側に道徳的判断や計画性に関わる大脳皮質がある。

 

この重層構造で段階的に死んでいくとのこと。

外側から順に死んでいくとのことである。

 

社会性から死んでいくというのは、分からなくもない。

あくまで個人の経験としての実感である。

 

私が脳炎の時は、意識混濁によって、外界と繋がらなくなった。

何かしゃべっているけど、意味が分からないことが多かったよう。

 

そして、漢字はもちろん、一部のひらがなやカタカナが思い出せなくなっていた。

倒れてから1か月後にようやく単文による短文が書ける程度であった。

 

でも、呼吸はしてるし、脈はある。

だから、生きていたのである。

 

基底核を炎症でやられていたら終わっていたのだろう。

そう思えば、運が良かったのだと言える。

 

植物状態のように見えても、人は何らかの形で生きている。

もちろん社会的に生きているわけではないのだが。

 

どこがやられたら回復しないのかの片鱗が、少し見えたような気がする。

かといって、二度とかかりたくないのは言うまでもない。