2016年9月1日。晴れ渡った青森。
青森駅近くの青森港に行き、青函連絡船「八甲田丸」を見学する。
※以下は船のデッキから見た景色
近くの公園には津軽海峡冬景色の石碑があり、石川さゆりさんの声が大音量で響き渡っている。連絡船を偲ぶにはもってこいの歌であろう。
台風11号は、無事通過。新青森から北海道新幹線で、新函館北斗駅を目指した。
その日の車内に食べた駅弁「津軽の弁当 お魚だらけ」は、絶賛お勧め中。
さて、新函館北斗駅に近づいた段階でようやく事態に気づく。
函館-札幌間の電車が全面運休であるということに。
青森が晴れていて、新幹線が動いているので、朝に路線情報をチェックしてなかった。そして、この運休で何が起こるか分かってなかった。
切符は東室蘭まで買っていた。
あとはみどりの窓口でスーパー北斗の特急券を買えばいいかと。
そしたら、窓口で「本日運休ですので東室蘭には行けません」
路線図を見てようやく気付く。函館-札幌間に東室蘭があったということを。
新函館北斗駅からはこだてライナーだけ走っていた。
新幹線から降りた客のほぼ全てが函館駅に向かうことに。
函館駅は大混乱中。それまでの乗客もほぼ全て函館駅にいるからである。
そこから移動できないので、JRの窓口はひたすらお詫びの対応に追われる。
何か手段はないかとバスのチケット売り場に行ってみる。
路線バスで長万部までならバスで行けると。しかし、その後東室蘭まではない。
札幌まで行く高速バスの窓口は長蛇の列。これは乗れそうにない。
札幌まで行ければ、特急すずらんで東室蘭に行けるが、これも断念。
周辺ホテルもすべて埋まっている可能性が高い。ヒッチハイクする根性はない。
ということで、ダメもとで声をかけてみた。「すいません、東室蘭まで走れますか?」
「東室蘭って190kmあるんだぞ。3時間以上かかるよ」「走ってくれれば、時間や金額は気にしません」「じゃあ、○万円でいいよ」
人生初の、190kmを3時間かけてのタクシー移動。大型ワゴンの個人タクシーなんで、結構快適。おそらく2度と経験できない、貴重な体験であった。
道中、WiMAXがつながらず、PCは役に立たず。少しは寝たが、さすがに長距離なんで運転手さんの地元話に付き合う。さっぱり分からないことだらけだったが。
おかげで、無事夕方までに東室蘭に着くことができ、研究打ち合わせも滞りなく終えることができた。めでたし、めでたし。
【追記】
運転手さんの、こちらには全くわからない話。
「このあたりのコンビニであそこはトイレが2つあるから便利なんだ」
「このあたりに長崎屋があったんだけど」
「このあたりの標高はどれぐらい」
いずれにせよ、このあたりがどこか全くわからない私は答えようがなく、あいづちのみでとぼけるしかなかった。
【タイムラインの補足】
東京-青森-東室蘭という8月30日から9月1日までは以下の順が時系列に従っている。
1. 「脳と駅弁と電車」その41 グランクラス和軽食―東京編―
4. 「城と弘前と私」
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