避難場運営ゲーム(HUG)というものに参加してきました。

 「避難」「運営」「ゲーム」の頭文字を取って通称 HUGと名ずけたそうです。

 もともとは神奈川県が考案実施されたものなんだとか。


  先月の能登半島地震をはじめ、続く大規模災害の発生で、「これは他人事じゃないな」という意識が世間的に強くなってきたように思います。


  各地で、特に行政が主体となったHUGセミナーのお知らせが、目につくようになりました。


  HUG開始。

  まず、今回の大地震で犠牲になられた方、被災地へ向けての黙祷から始まりました。


  講師の方の開始直後の第一声。


「皆さんは被災して避難所にこられた時、誰が避難所を運営管理していると思いますか?

  行政ですか?社会福祉協議会でしょうか?」

「当然行政がすべて対応してくれるだろうと思っていませんか」


と問いかけられたのです。


  確かにね。行政、つまり役場職員も当然被災者。全員が緊急時対応できるわけではありません。

  しかもその限られた人数で、自治体避難民の対応をするには限界があります。


 つまりは、被災者自身が主体となって動かなければ、この緊急事態は乗り切れませんよ、ということなのでした。


  HUGは想定された避難所に次々と入ってくる被災者を振り分けていくシュミレーションゲームでした。

  もちろん正解はありません。

ただ最適解を見つけようとみんなで知恵をはたらかせます。

  被災時期、施設の条件、時間の推移、そして多種多様な被災者のために、どのように避難場所をゾーニングして振り分けるのか。

  次々とイベントも起こります。


  二時間程でしたが、やってくる被災者設定がリアルで、緊迫した雰囲気の中、各グループの考察にも熱が入ります。

  被災者はどんどん避難所に入ってくるので、考え込んでる時間はありません。

  あっという間に終了となりました。


  グループの人達みんな「疲れたねーネガティブ」とぐったりしてました。もちろん私も。


  痛感したのが、スムーズ(というのも大変難しいことですが)に避難所を運営していくためには、早い段階で組織系統を立ち上げなければいけないんだな、ということです。

  リーダー無き集団では混乱を招いて、更なる被害が生まれるように思います。


  不安や恐怖、心身を消耗している中でそれを行うのは大変な事ですが、日本のどこに住んでいても、もはや安全な場所はないと思われる昨今、やはり被災時のシュミレーションはやっておいた方がいいですね、


  そして、そんな中でみんなに役割を求められた時、自分は何ができるのか、何が得意なのかを知っておくことは大切だな、とも思いました。


  多分私は、できうる範囲で看護師の役割を担うんだろうなぁ。

 シュミレーション中もやっぱり医療・救命の目線で動きを捉えていることに気づいたから。

  今は積年の夢だった非看護師として生きているけど、国家資格を拝領するって、きっとそういう事なんですね。