NHKドラマ「正直不動産」の話 | 笑う門には福来るのブログ

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 高校野球をこよなく愛し、「平和」にも敏感でありたいと考えています。

【ウソがつけなくなった不動産社員】

 NHK総合でシーズン2が始まった、テレビドラマ「正直不動産 2」。「クロサギ」の夏原武氏が原案を手掛け、大谷アキラ氏が作画で、ビックコミックで連載中の漫画のテレビドラマ化。現時点で累計部数は325万部という。

 

 センミツといわれ「千の言葉のうち真実は三つしかない」といわれる不動産業界。営業に必要なこと以外は、客に見せも教えもしないともいわれる世界。そこに、ウソをつけない主人公の営業で業界に問題提起し、不動産売買の裏側を鋭く突くドラマ。

 

 一昨年4月から6月までNHK総合で全10話が放送されたが、好評を受けてこの1月から3月12日まで「正直不動産 2」(全10話 NHK総合 火曜日22時~22時45分)が放送されている。

 

 主人公は、長瀬財地(ながせせいち)で、登坂不動産の課長代理。ドラマでは山下智久さんが演じる。同僚新人社員月下咲良が準主役で福原遥さんが熱演している。

 

 長瀬課長代理は、不動産営業社員としてかってはウソもいとわない口八丁の営業マンで、抜きんでた成績を上げて収入も多大でタワマンに住んでいた。

 

 ある時、ある土地の地鎮祭でそこにあった祠(ほこら)を無造作に破壊してしまった。その祟りで、それ以降ウソがつけなくなってしまう。お客を相手にウソをつこうとすると、つむじ風が長瀬に吹いて、口からは本位ではない“真実・本当の言葉”が出てきてしまい、最初はお客を驚き怒らせてしまう。

 

 成績ががた落ちして収入も大幅減少し、住まいもタワマンから古アパートに引っ越さざるを得ない。それでも、正直営業でお客からの信頼を勝ち取ることを心掛けるようになる。「お客様が一番幸せになれる家」を命がけで提供しようと奮闘する波乱万丈の物語。

 

【不動産売買の裏側をしっかり見せる長瀬】

 これまで、敷金・礼金泥棒、囲い込み、店舗契約、新・中間省略登記、建築条件付き土地売買、瑕疵担保責任、告知義務、タワーマンション購入、家賃滞納、ワンルーム投資の落とし穴、狭小住宅などなど、一般人には知り難い不動産売買の裏側をテーマに話が展開する。

 

 私は、大学で法律をジックリ学び、在学中に宅地建物取引士試験にも合格し、不動産売買も客として何度か経験し、ある程度不動産関係の知識はあると思っているが、それでもドラマでの毎回の法律展開はいい勉強になっている。

 

 昔と違い、悪徳不動産屋の世界から現在はずいぶんと良くなってきたと思われるが、まだまだ、不動産・土地建物の良い点ばかり説明して、欠点部分を聞かれなければ十分には説明しない現状は存在する。

 

 元旦の能登半島地震では、内灘を中心に大きな液状化が発生して、多くの住宅に被害が出てしまった。昔を辿れば、沼地の盛土等地盤の問題があるはずだ。

 

 例えば、高級住宅地として有名で若い人達にとても人気が高いな新浦安地区だが、現在の市役所より南はほんの60年前は海の中だった。そこに土砂を埋めて広大な住宅地が作られた。そしてあの東日本大震災がこの地も襲う。いたるところの土地・道路は液状化して波うち、高級住宅も傾き、道路下の上下水道も多数破壊された。

 

 どれほど不動産業者は、事前の液状化の心配・リスクの説明をしたのだろうか。土木工学にシロウトの私でさえ、その数年前に、震度4程度の地震で、一部で液状化して、土地から2階にまで水が吹きあがったという新聞記事を知っていた。

 

 ドラマでは、新人月下咲良社員(23)も「カスタマーファースト」の営業に勤めようと奮闘する。不動産売買のからくりと注意点を丁寧に表現しようとする番組に大いに期待したい。