仕事の相談は毎日のように飛び込んできますが、その中で一番多いのは「転職してもいいですか？」「次の会社はこちらとあちらとどちらがいいでしょうか？」と言うご相談ですが、その次くらいに多いのが、
「会社をやめて自分で起業したり、副業をやって収入を増やしたい。」という相談です。
今の会社の給料ではなかなか将来が厳しい。本当はもっとやりたいことがあるんじゃないか？そう思って副業をしたり、自営業として起業したいと考える方が少なくありません。
その時に、いくつかご注意申し上げることがありますので、今日はそれについて書いておきましょう。
全部で３つあります。
①先にお金を使ってはいけない。
②一人でやる。
③応援してくれる人がいるか？
どれもとても大切なことです。詳しく見ていきましょう。
① 先にお金を使ってはいけない。
起業や副業で伸びる人、向いている人というのは、全くお金をかけずに先にいくらかでも収入を得ることができる人です。最初に教材をたくさん買おうとか、高い受講料を払って講習を受けよう、または、まだ何も始まっていないのにお店などの枠を作ろうとする人は失敗します。もしあなたが副業や起業と思われるのであれば、全くお金をかけずに、今持っているもので（パソコンでもスマホでも、そして自宅で）収入を得てみてください。
もちろん、家でお習字教室をするなら、墨汁は必要です。紙も必要です。でも、これまでお習字をやって来た人ならすでに持っている起業の武器です。この意味わかりますね？
また、起業を本格的に始めるのであれば、最初の2年間は全く売り上げがなくても食べていけるだけの貯蓄を持っているかどうかは大きく影響します。つまり余裕があれば、勇気のいる事業アクションを起こせる確率が高くなるということです。定期的に広告を出すことも可能です。どうしても必要な臨時スタッフを雇うこともできます。
起業前、副業を始める前には見えないお金が後から後から出てきます。その為にもあなたが副業で収入を得られる人かどうかを「その道でお金を使わずに収入が得られるかどうか。」で判断してください。
② 一人で始める
①のお金をかけないということに共通しますが、最初はいつでもやめられるように小さく始めるのが基本です。ですので誰かと一緒にやるのはあまりお勧めしません。お互いに「なくなってもいいお金」があるなら、会社と言う形にしてもいいかもしれませんが、そのお金さえも、それまでに副業としてすでに収入を得ているからできることという考え方の方がよいでしょう。
決して退職金を出し合って一緒に始めたりしないことです。
また、勢いで意気投合して誰かとスタートした場合、だんだん上手く行かなくなってきた時に大変険悪な感じになります。それは起業に限らずですが、夢を語る時は良い事ばかり見えますが、仕事とはそういうものではないので、仲良し二人で会社はやらない方がいいでしょう。
③ 応援してくれる人がいるか？
起業や副業をすることに、あなたのその仕事を応援してくれる人がどれくらいいるのか？は、大変重要になってきます。あなたの商品を買う人ではなく、知恵をくれる人です。身近な人に売ろうとしてはいけません。身近な人には応援してもらうのです。
広告の知恵をくれる人、デザインの知恵をくれる人、集客の知恵をくれる人、頑張りたい時の勇気をくれる人、上手く行かない時に励ましてくれる人、本当にダメな時に「もうやめなさい」と言ってくれる人。こういう人達があなたの仕事を見えない部分で支えてくれます。
そのような応援団がいない人が起業や副業を始めると、全部一人でやらないといけない。すぐに挫折する。辞め時がわからない。という沼にはまります。
あなたのことを本気で応援したいと思ってくれる人が20人いれば、起業は成功したと言っても過言ではないと思います。
友人がある分野で起業をすると言った時、2年間大丈夫かと尋ねたら「2千万ある。」と言う返事に心強く思いました。もちろん起業は成功して、今もその店は繁盛しています。でもお金はなるべくつかわないでやるという精神は最初から友人の心の中にあったようで、壁の色を塗ったり、内装のほとんどは自分でやったようです。開店までに1年かかりましたが、店の中で寝泊りしてがんばっていたのを思い出します。
副業、起業はなるべく小さく始めるということが一つのポイントになります。夢は大きくでいいのですが、それはその小さなものを少しずつ転がして、まるくして、まるで泥まんじゅうをみがきながら堅く丈夫にして大きくしていくようなものです。その間、手は汚れます。時間もかかります。そして一人でしか作業ができません。それが起業や副業を始める時のアクションであると理解していただければと思います。
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