浅草のおんな / 伊集院静 | 本と映画と、たまに猫。〜そろそろ、おねむ〜       
”あなたは、浅草に行ったこと、ありますか?"

幼馴染の雅美が、関取になるべく上京。

恋仲の志万は、故郷・天草を捨てついてきた。

しかし雅美は親方の娘と恋仲になってしまう。

自暴自棄の生活を送る志万には、皮肉にも

誰の子かわからない命が宿っていた。

志万は「最後に浅草寺を一目見たい」と意識朦朧に

弁天堂に向かうがそこで倒れてしまう。

「おい、おまえさん、大丈夫かあ」。

と、留次に助けれた志万。その後、妾という立場だが、

留次と大切な家族になった。

その後志万は「志万田」という小料理屋の女将になり、

浅草で暮らしていく。

そんなある日志万は、橋で身投げをしようとしている

女性を見かけた。

あの日の自分に重なった志万は、女に声をかける。

浅草のおんな (文春文庫)/文藝春秋
¥588
Amazon.co.jp

多分10年ぶりくらいの、伊集院さん作品。

志万が、浅草・そして「志万田」で過ごしていく様を

描いた、連作短編集です。


「小股の切れ上がったいい女」なイメージの志万。

昔の池上志乃さんに重なるかんじ。

年代設定がちょっとわからないけど、ここに日本の

下町風情があった。なんとも粋ですなあ。

人は助けられ、そして次は助けて生きていく。

「人情」という言葉を改めて思い直した作品。

そして最後の章「浅草のおんな」の意味が分かった時、

その言葉が心に、染みわたりました。

なかなかの掘り出し物。

本にこちゃんの採点本
  4.5点/5点