小沢健二 - Eclectic | NOTRE MUSIQUE

NOTRE MUSIQUE

Elle est retrouvee.
Quoi? - L'Eternitee.
C'est la mer alleee
Avec le soleil.

Ozawa Kenji小沢健二の4枚目のアルバム。2002年リリースで現在のところ最新作である。
前作の“球体の奏でる音楽”から5年というインターバルを経てニューヨークで録音された作品。サウンド的には低音のきいたベースラインに小沢と女性コーラスがのっており、R&BとAORの中間のような音作りがされている。サウンドは極めてタイトでリズムにもアレンジにも無駄がなく、小沢のボーカルも以前に比べると意識的にクールな声質に変化させている。
小沢健二はフリッパーズ時代から一環して子供である小沢健二に徹してきた。東大出身でIQの高い頭脳を持つ彼は、デビュー当初からそういったキャリアをあえて逆手にとって、意識的に無邪気に弾ける自分を演じている。メディアに大きく露出した“Life”はその子供としての小沢健二で、Jackson5やLittle Stevieにも通じるR&Bの最高傑作と言える。その後ジャズアルバムを出したりと、彼の中でも大人の小沢健二のスタイルを見つけようと試みを繰り返している。そして本作は小沢健二の中で、そんな観念性としての大人の自分を作ろうとした結論とも言える。
タイトルの“Eclectic”は折衷主義という意味である。ここでいう折衷とは、過去のシングルヒットと現在のNYでの制作活動との折衷、R&BとAORとの折衷、アッパーなサウンドとクールなサウンドの折衷であり、彼の中での子供と大人の折衷とも取れる。それはオリジナルの新曲の中に、あえて過去の名曲“今夜はブギーバック”を取り上げ、新曲“あの大きな心”に繋げたことにも如実に表れている。
しばらくシーンから姿を消していた彼は、大人になることよりも、大人と子供の折衷という形を客観視して表現することを選んだ。90年代の渋谷系ミュージシャンが成長して、それぞれのスタイルを確立していく中で、彼のポジションはいまだに定まらない。そしてそれが小沢健二の魅力ともなっている。