Craig Davidの新譜で3枚目のアルバム。クレイグ・デイビッドは、2ステップというUKクラブシーンの最先端をいくダンス(音楽)スタイルを操り、アートフル・ドジャーの“Re-Rewind”という曲でフィーチャーされ注目を集め、2000年に18歳でデビューした。このデビューアルバムでUKを代表するトップの座へと登りつめた。2001年には世界デビューも果たし、2002年の2ndアルバム“Slicker Than Your Average”ではそのタイトルどおり世界の音楽的なクオリティーの水準を軽々クリアし余裕のあるサウンドで実力に裏付けられた確固たる評価を得ている。
彼の実力は一般リスナーからミュージシャンにも人気があり、彼と一緒に仕事がしたいプロデューサーが多いらしい。だが今回のアルバムも外部の大物プロデューサーに委ねることなく彼自身のペースで自由に製作されている。今回は全40数曲の候補曲の中から厳選したということで、収録曲された曲の完成度は非常に高く駄曲はない。
今回の3枚目のアルバムはデビュー以降の前2作と比べるとメローな曲が多い。2ステップを期待するファンには物足りなさもあるかもしれないが、アルバムの完成度は驚くほど高い。テンポが似ている曲が多いにも関わらず、メロディーの美しさや洗練されたアレンジで飽きることなく一気に聴かせてくれる。
ある意味AOR的な洗練された切なさや清々しさが同居するサウンドや、良質なメロディーはポップな音楽でありながらも、決して軽薄なポップスにならず芯のある黒さも感じる。ルーツには伝統的なR&Bのスタイルを感じさせながらも決して熱くならずクールに決める手腕は見事、ポップでありながらも常に黒さを感じさせる彼のサウンドには脱帽する。
ジャンルといったカテゴリから逸脱した彼の音楽、そしてこのアルバムは全音楽ファンにとって必聴のアルバムであり、誰もが楽しむことができる内容となっている。未聴の方はぜひ。