菊地成孔の2枚目のソロアルバム旅先のブエノスアイレスから帰国後に完成させたアルバムで、今回のテーマは“妄想系エキゾチック・ジャズ”。
タイトル通り南米がテーマになっており、全体的に憂鬱で気だるい雰囲気に覆われています、ただしJazz的なアプローチは前作よりもかなりノーマルな取り入れ方になっています。
エキゾチックがテーマですが、前作に続きカヒミ・カリィが英語詞の“恋の面影”“クレイジー・ヒー・コールズ”の2曲で歌っており、内田也哉子が“パリのエリザベステイラー”を朗読と日本人のゲストを参加させ、あくまで“日本人が見た南米”という設定になっているようです。サウンドもアコーディオンを取り入れたタンゴ調の曲が印象的。
本人は「南米のエリザベス・テイラーというのは、象徴であり、具体、存在したかもしれない女優の悲劇という妄想であると同時に、各々無関係なBPMで演奏されるラテン・リズム・フィギュアの事。」と言ってるそうです。“象徴であり、妄想であり、リズムフィギュア・・・”必要以上に大げさで難解な表現にも思えますが、こういう哲学的な音楽性は個人的に嫌いではないです。
これを現代進行形のJazzとか、現代のJazzの代名詞的な扱われ方をされるのは非常に抵抗を感じますが、Jazzという多種多様なスタイルの存在する音楽の持つひとつの側面だとは言えるのではないでしょうか。
コアなJazzファンは認めたがらない胡散くさい音楽でもありますが、このスタイリッシュな方向性は評価したいと思います。