Steely Danの1975年リリースの4作目。もともと普通のバンド編成だったSteely Danも、この頃はDoobie Brothersにメンバーがごそっと移ってしまいメンバーはDonald FagenとWalter Beckerの2人だけ。
このアルバム以降、音楽の場を完全にスタジオに限定し、セッションというよりもフェイゲンが頭に描く音楽を一流のスタジオミュージシャンを雇って実現するというかなり変態的な音の作り方をするようになります。
この“Katy Lied”(邦題は嘘つきケティ)は初期のロックバンドからオタクなバンドに変わっていく過渡期のアルバム。Fusionの要素も多分にありますが、洗練されたメロディとわかりやすいアレンジで、あくまでポップミュージックとしてのスタイルを守っています。
基本的にSteely Danのアルバムはすべて好きでどれか1作を選ぶのは非常に難しいのですが、聴く頻度は初期のロックバンドとしての要素と後期のオタク的な音作りの中間にある本作が一番高いのです。
オリジナルギタリストだったジェフ・バクスターがいないのは残念ですが、マイケル・マクドナルドの参加や、ジェフポーカロのドラム、リックデリンジャーのギターなど聴き所も満載。
完成度こそ“Aja”には劣りますが、非のうちどころのない極上のロックアルバムです。フェイゲンはあえて意識してロックっぽさを残したのかなぁと深読みまでしてしまいます。
個人的にはこれ以降のアルバムはややオタクっぽさが鼻についてしまうのです・・・