「1年1くみ1ばんげんき」
作:後藤竜二
絵:長谷川知子
1年1組1番げんきな子、くろさわくんにまつわるお話です。でも、くろさわくんが主人公ではなくて、一人称の「ぼく」目線で語られます。
くろさわくんは、とてもわんぱくこぞう。「ぼく」は、くろさわくんはしつこくて乱暴で嫌なんだけど、正義感が強いところなんかもあって憎めないところもあります。くろさわくんのペースに巻き込まれていきます。くろさわくんにまつわるいろんなエピソードがおもしろいです。オムニバス形式で、6つの短編を楽しめます。
「くろさわくんがおこった」のエピソードは、こじまくんの行動がひどくて、くろさわくんがかわいそうになりました。
小学校にはいろんな性格の子がいて、保育園ほどには大人の目は届きません。子供たち同士でいろいろな会話をし、さまざまな人間関係が作られていきます。
くろさわくんは、言葉遣いも悪いし、乱暴。いわゆる「いい子」と言われる子からは遠い存在。過干渉な母親である私は「くろさわくんとはあんまり遊ばないでおきなさい」って言ってしまいそう。
でもきっと、「ぼく」のように、子供たち自身の目で友達を見極め、付き合っていく友達を決めていくはず。人を見極める目を小学校時代に養ってもらうためにも、あまり過干渉にならず、子供が選ぶ人間関係を見守っていきたいと思います。
1年1組シリーズとして、何冊も出版されています。この絵本は、6月〜七夕にかけてのエピソードになっています。
5月に教室に行くとドキドキしてつらいと言っていた長男。6月入ってからはメインの過ごす場所は別室だけれど、ポイントで教室に行けるようになりました。プレッシャーにならない範囲で、絵本を通して教室や友達との疑似体験を。
別室で過ごす子も、固定メンバだけでも4〜5人いるため、別室で出会った別クラスや別学年のお友達の輪が広がりました。これは嬉しい誤算でした。