たすき反りか?
撞木しゅもく反りか?


令和四年五月場所五日目 序の口の対戦で十八才の
大藤(出羽海部屋)が同い年の佐藤(二所ノ関部屋)
取り直しの末 珍手襷たすき反りを決めました。





相手の脇に頭を突っ込み股を抱え上げた反りは見事
でしたが襷反りも撞木反りも滅多に目にすることが 
ない奇手その違いが判然とせず実に難しいのです… 

たすき反りと撞木しゅもく反り
一体、どこが違うの?!びっくり

 


たすきとはご存知の通り着物の袖が 
邪魔にならないように紐でたくし 
上げる、いわゆる襷掛けのこと




襷掛けは背中がバッテン❌に
なります。そーいえば襷反りは
相手力士が背中で❌バッテンの形
にさせられていますよね 爆笑
相手の股の下に手が入れば襷掛けの襷反り
股に手が入らず襷に掛からずともそのまま
相手を反り倒せば居反りであると思います 




撞木しゅもくとは何物でしょうか? 
よく村の火の見櫓で半鐘鳴らす 
T字形の木槌きづちが撞木です。




撞木といえばシュモクザメ 
Hummerhead shark
カナヅチ頭の鮫ですね🔨💥




着物界で撞木といえばコレ👇
帯や着物の反物を掛けて陳列  
ここは正にふくひろ店内です爆笑




これは私見ですが襷反りが相手力士をたすきに掛ける
ように反り倒すのに対し撞木反りは相手力士を撞木の 
形に担ぎ上げ後ろに投げ落とすように反り倒す荒技  
なのではないでしょうか。イメージとしては巨漢力士 
が小兵力士を豪快に担ぎ上げる感じなのだと思います 





大藤の反りも一瞬 佐藤の身体を持ち上げています。
襷反りでなく撞木反りと言ってもおかしくはない 
豪放磊落な荒業であり見事な奇手でありました…  




力士の大型化につれて反り技は徐々に姿を消して
ゆくものと思われましたが近年は宇良など居反り
を得意とする力士も現れました。名人横綱栃錦
が巨漢不動岩に襷反りをかける白黒写真は見た
ことありましたが撞木反りなど到底見ることは 
叶わぬと思っていました。大藤の一番は本当に 
滅多と見ることのできない珍手神技です!おねがい




襷掛けに撞木など着物用語
思わぬ共通項にニンマリ爆笑
相撲界と着物界
当たらずとも遠からじ