これは 2017年 アクロス福岡で行われた女性工芸士展
で撮影させてもらった広瀬絣の貴重な実演写真です。
広瀬絣の最も奇抜な工程は絣糸を括るための
緯経台(よこへだい)という縦長の道具です。
型紙で縦長く印付けられた種糸で括られた絣
が織り出すとなぜかギュッと凝縮され縮まり
ジャストフィットな図案に収まり不思議です
山陰の藍絣の中でもこんな特異な絣付け方法
は広瀬絣だけです。絵付けの木枠の型紙まで
最初から細長いのですからなんとも驚きです。
広瀬では 女性はむかしからこの緯経台だけを家に
持ち帰り絣括りの内職に毎晩いそしんだそうです
絣は大きく拡大された方がやはり括りやすい…
全国稀にみる細長い緯経台は内職分業のための
利便化と共に生活の知恵であり進化だったのです