美しいキモノ2022春号 特集
浦野理一の世界 





雑誌「美しいキモノ」で
昭和の染織プロデューサー
浦野理一
の特集が組まれました…
雑誌「美しいキモノ」はときに通常の染織本
遥かに凌ぐ資料価値高いコラムを掲載して 
くれることがあります。今号も必見です…   





実は僕は浦野理一についてほとんど知りません…
僕がこの着物の世界に入った平成二年頃には浦野
理一の名前を殆ど聞いたことがなかったのです。
というより知識常識経験皆無の若造(現在も大して  
変わったことはないですが笑)ゆえ全く馬耳東風 
猫に小判で聞き流していただけかもしれません。
亡くなった父はたまに「浦野理一」の名を口にする  
ことがありましたが無学浅識の輩である僕は更に   
父に深く突っ込んで聞こうともせず生前にもっと    
教えを乞うべきであったと後悔すること頻りです…     






それにしてもけっこうな年月この着物界の末端に
身を置いてあちこちウロチョロしていた僕でも
「以前 浦野理一関連の仕事をしていた 」 と語る  
問屋 染織職人にまず出会ったことがないのです  
その足跡さえ無い…これは本当に不思議です。 






特集記事を読むとちょっとだけ謎が氷解しました…
小津安二郎の映画に衣装提供をしていた浦野理一は 
浦野染織研究所を設立して経節紬(たてぶしつむぎ)など  
染織品を製作… 北鎌倉の東慶寺で年に数回 展示会を 
行なうだけだったのです。北鎌倉の文士や愛好家の
で極々少数のみ流通しただけだったのでしょう…
京都問屋筋も浦野作品は取り扱いがなかったのか…  



 

浦野理一が逝去された平成 3年は僕は銀座の老舗
呉服店に勤めていました。右も左もわからず周囲 
にお世話かけっ放しでした💦そんな訳で余裕すら 
全くなく浦野理一のことも勉強せずじまいでした… 
三十年経ってこうして浦野理一がふたたび脚光を 
集めています。浦野理一ブーム再燃の予感です…