今ではすっかり国民病と呼ばれるようになった
花粉症。
この花粉症の増加と比例するかのように、
近年増加傾向にあると指摘されているのが
『果物アレルギー』です。
花粉と果物の抗原構造が似ていることが
一つの原因と考えられており、
花粉症の病人の10人に1人は
果物アレルギーを発症するともいわれています。
果物アレルギーは、大きく2つに分けられ、
①蕁麻疹や咳など全身症状を伴う『即時型』タイプ
②口の中だけにかゆみなどの症状が現れる
『口腔アレルギー症候群』タイプ
があります。
①『即時型』は、
乳幼児期に発症することが多く、
アレルギーを起こすタンパク質が、
胃や十二指腸で分解されないまま小腸から吸収され、
全身に症状が現れるのが特徴です。
一方②『口腔アレルギー症候群』は、
学童期から成人に発症し、
口腔内の粘膜に果汁が直接触れることによって起こり、
特定の果物を口に入れた後15分以内に
唇が腫れたり、口の中がかゆくなったり、
喉がイガイガするといった症状が現れます。
これら2つのタイプのうち、
花粉症の増加とともに増えているのが、
後者の②『口腔アレルギー症候群』です。
その原因として考えられているのが、
花粉と果物または野菜に共通して含まれる
アレルゲンとなるタンパク質。
アレルギーを起こす花粉の種類によって、
症状を現す果物や野菜が異なっています。
ホノミ漢方会報より
関連しているタンパク質。
◆PR-10
シラカンバやハンノキなどカバノキ科の花粉に
含まれるタンパク質で、
バラ科の果物やセリ科の野菜、
豆乳などにも含まれています。
カバノキ科の花粉は、
口腔アレルギー症候群を合併しやすいとされ、
長野県や北海道など、同科の花粉が飛散する地域では、
口腔内に起こるアレルギーが報告されています。
◆プロフィリン
シラカンバの他、イネやヨモギなどの花粉、
また多くの食物にも存在するタンパク質。
多種類の花粉に重複して感作している人の場合、
このタンパク質の陽性者が多いとされています。
この2つのタンパク質は、
熱や酵素に不安定であることから、生のままではなく、
加熱加工すれば問題なく食べることができます。
ところが、下記のタンパク質は加熱処理をしても、
口腔や時に全身性のアレルギー症状が、
誘発されることもあるため、注意が必要です。
◆LTP(脂質輸送タンパク)
ヨモギやクリの花粉、
そして広範囲の果物に含まれるタンパク質で、
花粉症の既往がない人でも
アレルギー症状を引き起こします。
このタンパク質は、
果物や野菜の間で
広範囲に交差を引き起こすことが分かっています。
例えば、モモにアレルギーがある場合、
約55%の確率で、
リンゴや西洋ナシ、サクランボなどにも
アレルギー症状が現れるとの報告もあるようです。
果物アレルギーの対策といえば、
抗ヒスタミン薬で症状を軽減することもできますが、
やはり原因となる食べ物の除去が基本です。
初めは症状が軽かったとしても食べ続けるうちに
重篤化することもあるため、
口に入れた後に違和感がある場合は、
中止することが必要です。
花粉アレルギー、果物アレルギーで
お困りの方は是非ご相談くださいね。
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