銀行セールスの主な目的は、生命保険や投資信託などを販売することです。「残高が少ないのに勧誘の電話が掛かってきた」と驚く人もいますが、銀行員が狙うのはお金持ちに限りません。狙われやすい人の特徴とセールス方法を、現役銀行員に聞いてみました。
■特徴1定年退職を控えている
銀行員は、銀行に口座がある“59歳”の“会社員または公務員”に片端から電話を掛けます。なぜなら、数年以内に退職金が入金となる可能性が高いからです。セールスの電話がセカンドライフについて考えるきっかけになります。住宅ローンの一括返済や退職金の税金、年金などの相談に乗りつつ、老後に向けた資産運用を勧めます。
■特徴2身近な家族を亡くした
親や配偶者を亡くした人は、遺産を相続する可能性が高いため銀行員から狙われます。銀行員は遺族と面談する機会が多く、相続手続きのサポートを通じて信頼を得やすいです。じっくりと時間を掛けて遺族の信頼を得てから、大切な遺産の有効活用として資産運用を勧めます。
■特徴3児童手当を受け取っている
児童手当は中学校卒業までの子どもがいる家庭に支給されます。銀行員は教育費に関する情報を提供した後、教育資金を補う方法として学資保険や積立投資信託を提案します。なお児童手当は、第一子かどうか、生まれ月などで変わりますが、受け取り総額は子ども一人当たり200万円前後です。大学卒業までにかかる平均的な教育費は、全て国立の場合でも約800万円かかると言われており、児童手当だけでは足りない可能性が高いです。
■銀行員に相談するメリットもある
セールスの電話や訪問は忙しい人にとっては迷惑かもしれません。しかし銀行員の中にはファイナンシャルプランニング(FP)の資格を保有している人もいますし、お金に関する相談を無料で出来るいい機会でもあります。日時が決まっているセミナーと違い、都合の良い日時に合わせて面談が出来ることもメリットです。自分にとって有益な情報を得るために、銀行セールスを逆に利用するのも良いかもしれません。
文/編集・dメニューマネー編集部(2021年12月14日公開記事)