コロナ感染拡大によって国民がいまなお厳しい生活を強いられているなか、「わずか1日で100万円」の文書通信交通滞在費(文通費)が支給された初当選組(元職も)の国会議員への特権的待遇が批判を浴びている。国会議員にかかるお金は、月100万円の文通費だけではない。歳費(給料)や税金で賄われる数々の費用の総額は年間約1051億円にのぼる。国会議員1人ざっと1億5000万円を国民は税金で負担させられているのだ。税金で優雅な生活を保障される国会議員は、政治資金というもう一つのポケットを持つ。各政党を通じて年間約311億円の政党助成金が税金から支払われているのだから、政治活動はそのカネでやってもらいたい。ところが、こちらのカネの使途も制限はない。かつて安倍晋三・元首相がアイス「ガリガリ君」、麻生太郎・副総理(当時)が人気コミック『ONE PIECE』(1~25巻セット・集英社刊)の中古本を政治資金で購入していたことが話題になったが、負けていないのが日本維新の会の足立康史・衆院議員だ。東京都内在住の男性会社員が情報公開請求で入手し、本誌・週刊ポストが提供を受けた足立氏の資金管理団体「新風会」の2019年の報告書には、地元のスーパーなどで購入した「白くまアイスバー」317円、「雪見だいふく」2点280円、「まんまるラムネ」192円などアイスや駄菓子の領収証が数多く提出されていた。1~2個単位で購入したケースもあり、「来客用」と言うには無理がある。足立氏の事務所に聞くと、「新風会の会合に参加する会員のために購入したものであり、適正な執行であると考えております」と言うが、駄菓子代まで政治活動の費用に計上するのはセコすぎる。昨年からのコロナ禍で国会議員の会合や外食も激減したとされるが、11月17日に東京都選管が公表した2020年(令和2年)分の政治資金収支報告書によると、石原宏高氏の資金管理団体「石原ひろたかの会」は、昨年6月の「ザ・プリンス パークタワー東京」での飲食代約10万9000円をはじめ、焼肉、寿司、うなぎ割烹、焼き鳥など合計約30万円の飲食費を支払っていた。コロナ禍でも政治資金でグルメしていたわけだ。石原氏の事務所に聞いたところ、「政治資金は法令に従い適正に処理し、収支を報告している。感染防止に努めながら、マスコミをはじめ有識者などとの意見交換など政治活動を行なっている」と回答した。岩井奉信・日本大学大学院講師(政治学)が指摘する。「政治資金規正法では、政治活動の名目があれば食べ歩きでも、アイスや駄菓子でも政治資金を使える。だから政治家は問題を指摘されると、『法令に基づいて処理している』と開き直るが、違法でないから許されるわけではない。有権者は合法でもダメと言えばいい」
※週刊ポスト2021年12月10日号

NEWSポストセブン / 2021年11月29日 19時15分

まあ違法ではないがこういうことをする人はいるのですね。身を切る改革という看板を掲げながらこういうことをすることが違法ではないが、細かいことをいろいろする人もいるのですね。