ミャンマーでは、リアルな世界での本人確認のためにIDカードが普及しています。このカードは、16歳で作成し18歳、30歳で更新。その先は更新が行われないそうです。転居の際は市役所に届け出るそうですが、IDカード自体の書き換えは出来ないそうです。そうなると30歳以降は、本人確認としての効力が落ちてしまうことになります。また、インターネット上での本人確認は、このカードではそもそも出来ません。

 

ミャンマーがこれから発展していくためには、日本では40年以上かかってようやく出来たマイナンバープラットフォームを最初につくることがキーだと思います。IT社会が前提となるとネットの世界での本人確認が重要となります。台湾の事例では、リアルな世界で使えるマイナンバーカードとネットの中で使える公的個人認証カードと2つが存在し、それを1つに統合するというプロセスを経ています。日本では、最初から2つの機能を1つのカードに入れてマイナンバーカードをつくりました。イスラエル、エストニア、フィンランド、韓国等、世界の事例を学んだ結果としてのマイナンバー制度です。つまり、日本ではデジタルファーストを前提としたデジタルプラットフォームなのです。インドは日本より更に後に構築しているので、モバイルファーストを前提としたマイナンバープラットフォームが構築されています。一度、使われ方を含めて視察したいと考えています。

 

ミャンマーで、インドより後につくるとなれば、さらに進化したマイナンバープラットフォームをつくるべきだと思うし、日本がそのソフトを協力すべきだと思います。ODAはソフトウエアに使えない、というルールを変更して、国の根幹のシステムをサポートすることは大切です。橋や空港整備は、マイナンバー制度が構築出来ていない国がサポートすればよい。マイナンバープラットフォームが構築できている国の方が少ないからこそ、本人の認証サポートするのが新たな日本の役割だと思うのです。ミャンマーにはIDカードがあるので、ゼロからのスタートにはならず、これを進化させていくことから始めることが出来ます。

 

参考までにミャンマーのIDカードは下記のような内容が記載されています。ミャンマー人の方からIDカードをお借りして撮影したものです。

 

 

表側①写真②個人番号(市区町村/町/番号の羅列)11桁③名前④父親の名前⑤誕生日⑥民族⑦宗教⑧身長⑨血液⑩顔の特徴(ほくろ等)

 

 

裏側①職業②住所③サイン④指紋

 

国によってマイナンバーカードの形式も作り方も異なります。リアルな世界、ネットの世界、どちらで使うものなのか・・・。紙なのか、プラスチックなのか・・・。更新頻度はどうなっているのか・・・。何歳から所持するのか・・・。取り決めは異なっても、最後はリアルな物質としてのカードでなく、スマホの中に入るものになると思います。犯罪防止、マネロン対策、公平性の担保、行政の効率化、産業の生産性向上、つまり便利で公平な社会を構築するためのプラットフォームこそ、マイナンバー制度なのです。縁あってミャンマーを訪れました。ミャンマーも早期にマイナンバー制度を構築し、デジタルプラットフォームを備えた国家になってもらいたいと思います。