1月26日(日)ことぶきアリーナ千曲で行われたB2リーグ「信州ブレイブウォリアーズVS東京エクセレンス」は、世界初!水素燃料電池バスケットボールゲームでした。燃料電池自動車(FCV)で電気をつくり、その電気をゲーム運営に使用したのです。初めてのことであり、使用された場所は、展示ブース、商品販売ブースと限られた場所でありましたが、「先ず、やってみる」ということが大切なのです。このゲームは環境型復興応援DAYとして、千曲市経済部産業振興課、長野県企業局、関東経済産業局、ユニファイドサービス、そして多摩大学ルール形成戦略研所がサポートして行われたものです。もちろん、信州ブレイブウォリアーズの運営会社である信州スポーツスピリットの理解があってのことです。次回は、コートの照明だとか、MCだとか運営の本格的な部分にFCVの電源を使ってもらいたいと思っています。

 

FCVは展示・商品販売スペースのある外側に設置されていました。長野県は商用の水素ステーションがないので、FCVを一般に購入している人はいないはずです。多くの方々がFCVを見に来るので、結果的に僕は、説明員の役を務めることになりました。運転席に座ってもらったり、ボンネット内のFCスタックを見てもらったり、水素エネルギー社会の意義を伝えたりと・・・。中には購入したいという人もいましたが、商用水素ステーションが無いので、難しいと答えざるおえませんでした。長野県には商用水素ステーションを整備する計画もあるようなので、早期に実現して欲しいと思います。

 

 

長野県には、再生可能エネルギー100%でつくったCO2フリー水素があります。長野県企業局が運営する水力発電所でつくられた電気分で水素がつくられているからです。商用ではありませんが、川中島水素ステーションにて、水力発電由来の電気を使い水電解という方法で水素を製造し、FCVに充填しているのです。ここでつくられたCO2フリー水素は、昨年12月に、13年ぶりに来日したアイルランド出身の世界No1ロックバンドU2のコンサートにも使われいます。また、同月行われたLUNASEAのクリスマスコンサートにも使われています。長野県で生まれた水素が、FCVに充填され、コンサート会場で電源車として電気をつくり、そして電気の変換機を通して楽器演奏用アンプなどに供給されるのです。水素でつくられた電気で奏でる音は、「突き刺さるようで温かい(LUASEA SUGIZO)」素晴らしい音になるのです。つまり、長野県民の水素が、最高の音をつくっているということなのです。

 

水素エネルギー社会は、多くの方々の理解があって進められるものです。関係者の、関係者による、関係者のための水素にならないようにしなくてはいけません。水素エネルギーに関するシンポジウム等に行くと、関心が高く多くの人が集まってきます。しかし、スーツ姿の男性が98%、女性はほとんどいないのです。車を購入するとき、自宅を新築・改築するとき、女性の意見を聞かないで進めることなど不可能です。FCVを選ぶ、自宅にエネファームをつける、食卓で水素水を飲む・・・。つまり、水素エネルギー社会の必要性を説くセミナーやシンポジウムを開催しても、消費者ベースでの需要喚起を行うには限界があるということです。僕自身も水素社会推進の為の議員連盟をつくり、活動を始めた当初は、全国でシンポジウムを開催していましたが、限界を感じたのです。水素エネルギーを良く知らない人たちにどうやって伝えていくのかということです。それは、異なる目的で集まっている集合体をリアルSNSと捉えて、そこに投げかけていくことです。今回のケースは、信州ブレイブウォリアーズのファンに投げかけるということです。その先には、バスケットボールファンという更に大きな集合体にネットのSNSで広がっていく事も想定できます。水素エネルギー社会の必要性を異なるソサエティー、特に女性や若者も集う集合体に投げかけていくことが重要だということです。

 

 

ことぶきアリーナ千曲では、大変ありがたいことにゲーム前にMCとの対話を行うことが出来ました。水素エネルギーに関するメッセージを対話を通じて、ブレイブウォリアーズファン、そして数は少数でしたが東京エクセレンスファンにも伝えられたと思います。何を伝えたかについては下記のYouTubeをご覧ください。Bリーグで水素燃料電池バスケットボールゲームが当たり前になる日が来ることを望みます。

https://youtu.be/z6tZjAYB6fk (信州ブレイブウォリアーズVS東京エクセレンス 試合前MCとの対談)