予算委員会・企画総務委員会所管分 ❶ | 福田たえみオフィシャルブログ「公明党世田谷区議会議員」

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世田谷区議会議員の福田たえみ(妙美)です。



予算委員会・企画総務委員会所管分での、

質問と答弁の詳細をご報告させて頂きます。


【逃げ遅れゼロに向けて水害対策について】


◆福田妙美 委員 

おはようございます。これより公明党の質問をいたします。
 本日最初に、逃げおくれゼロに向けてということで質問いたします。
 平成三十年七月に西日本を襲った記録的な豪雨の西日本豪雨、十五府県で二百人以上の死者が出ました。多くは逃げおくれが原因と言われています。洪水の場合、事前の気象情報で準備が可能であります。なぜ過去の教訓が生かされなかったのでしょうか。災害で逃げおくれが繰り返される原因について、東京女子大の広瀬弘忠名誉教授は、正常性バイアスと経験の逆機能という二つの人間心理が関係していると指摘されています。日常生活で小さな異常があっても一定レベルまでは大したことはない、正常の範囲と解釈する性質が正常性バイアス、一方で、自分が体験しているがゆえに記憶に縛られ、より大きな危機に気づかない心理が避難行動につながらないのが経験の逆機能。この二つの機能が逃げおくれの要因とされています。
 ここ世田谷区においても、近年、集中豪雨による被害が発生しています。平成十七年の野川、仙川流域の洪水被害は、鎌田地域を中心に被害が出ました。平成二十九年十月二十二日の台風二十一号では、区内の土砂災害に関する避難準備、高齢者等避難開始の発令、翌日には多摩川の洪水の避難準備、高齢者等避難開始も発令されました。また、昨年の八月二十七日に発生した集中豪雨では、二百件を超える浸水により多くの区民が被害を受けました。世田谷区でも大洪水が起きる可能性は高まってきています。
 大洪水から区民の命をどう守るのか。ハード面の対策は、行政の責任としてスピード感を持って行うべきです。ハード面の整備までの間、またハード面の限界を超えた自然災害へは、ソフト対策の強化が命を守る重要な施策となります。逃げおくれゼロで水害から命を守るために、逃げるタイミングの大切さをどう周知していくのか。多摩川近くの住民の方に、洪水が予測される大雨のときどんなタイミングでどこに逃げますかと聞くと、タイミングがよくわからない、とにかく近くの学校に逃げればいいの、それ以前に御自宅や避難経路がどれくらい浸水するかを知っていますか、洪水ハザードマップはごらんになりましたかと聞きますと、ハザードマップの存在は知っていても活用するための情報を得ていない、大半の人は浸水レベルを知らなかったという現状です。どんなに防災無線でアナウンスをしても、危険を回避する避難行動にはつながりません。
 二〇一五年九月、鬼怒川が決壊し、常総市では市民の逃げおくれで、ヘリやボートで四千二百五十八人が救出される異常事態となりました。災害時の逃げおくれがクローズアップされました。逃げおくれゼロを実現するために、常総市ではタイムラインプロジェクトと題して、住民一人一人が台風が接近し河川の水位が上昇するときに、自分自身がとる防災行動を時系列にまとめておくマイ・タイムラインがあります。常総市では、市役所と市民が一体となって、小中学校の訓練でもマイ・タイムラインの作成を行っています。
 ここで御紹介をさせていただきます。これが常総市で使っているマイ・タイムラインです。これはどのようになっているかといいますと、こちらが市町村が発令する情報、そして、これが自分の住んでいる地区で出している情報、そして、家にいた場合など、そこの状況に合わせて自分がどういう行動をとっていくのかということを日ごろからつくっておくことによって、災害時に慌てず避難行動をすることができるというようなものを、小学校を初め地域の方々と一緒につくっているということです。
 ここでお伺いいたしますが、東京都でこのマイ・タイムラインを作成する予定になっております。また、策定後、東京都内に配布されるというふうにも聞いておりますが、小中学校等への配布が予定され、数にも限りがあるというふうに伺っております。特に、洪水の際に浸水等の危険がある地域には、このマイ・タイムラインを周知すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。


◎河野 危機管理室副参事 

マイ・タイムラインは、台風の接近や大雨による河川の水位上昇等に合わせて、洪水が発生する前までに区民一人一人や家族がいつ何をするのかをあらかじめ時系列で整理した自分自身の防災行動計画のこととなります。マイ・タイムラインの狙いは、自分自身に合った避難に必要な情報や判断、行動を把握し、自分の逃げ方を手に入れることを目的に、行動のチェックリスト、判断のサポートツールとして活用されることで、いざというときに慌てず安全に避難することにつながることが期待されています。
 区といたしましては、都のマイ・タイムラインセットの配布について、ホームページ等で広報周知に努めてまいります。特に、多摩川の洪水発生時に浸水のおそれのある地域に対して、自分自身に合った避難行動をとるためのツールの一つとしてマイ・タイムラインの周知を図るとともに、区民へより多く配布できるよう、都へ要望してまいります。


◆福田妙美 委員 

このマイ・タイムラインの作成には、地形の特徴や過去の洪水といった自宅周辺のリスク、洪水発生時に得られる情報などのマイ・タイムライン作成に当たって備えるべき情報を知ることから始まります。気づきや考え、作成するプロセスを個人に委ねるのは、大変ハードルが高いものとなります。
 常総市では、市役所、国、県、警察、消防などと連携をとりながら、マイ・タイムラインの作成を行っています。区内には多摩川、野川、仙川の河川と、また土砂災害の警戒区域を有する国分寺崖線に挟まれた地域があります。逃げるタイミングが一層重要になってまいります。なぜこの常総市の例を挙げるかといいますと、ここでちょっとハザードマップを見ていただきますと状況がわかると思います。これが常総市の洪水ハザードマップです。ちょうどこちら側に小貝川という川が流れています。こちら側が鬼怒川です。このような二つの川に挟まれていて、常総市の市民の方は、この小貝川が以前に氾濫をした経験があるので、こちらが氾濫すると予測をして、鬼怒川のほうに逃げた人たちもいたというふうにおっしゃっておりました。このことによって、突然鬼怒川が決壊し、大混乱を示していました。
 そこで、こちらが世田谷区のハザードマップです。少々に見にくいですけれども、こちら側は大きな多摩川が流れて国が管理をしております。そして、こちら側に野川、仙川が流れています。ちょうどこの中洲と言われているようなこの川に挟まれているところ、ここが平成十七年に、以前、野川の氾濫で浸水をしております。
 かなり似た地形をしておりまして、このように以前に氾濫をした川が一部ある場合には、そこの氾濫のことは記憶に残っていますが、多摩川が氾濫した記憶は多分ほとんどございませんので、皆さんの行動がどのようになるのかということが、この常総市からも想像ができることであります。ですので、この国また東京都が管理をしている川を有するこの世田谷区においては、国と都との連携が大変重要になってまいります。
 ここでお伺いいたしますが、マイ・タイムラインの作成について、この周知に加えて具体的に各家庭での作成が進むように、国や都と協力をしながら、防災塾等を活用した作成講座を開催すべきです。区の見解をお聞かせください。


◎河野 危機管理室副参事 

災害時には、各家庭の状況でとるべき避難行動が変わることから、マイ・タイムラインを各家庭で作成することは、災害に対するさまざまな気づきをもたらすことにもなり、非常に有効だと考えております。特に、洪水の危険のある地域、地区ではマイ・タイムラインの作成を促していきたいと考えております。
 区といたしましては、国や都と協力、連携し、防災塾や訓練の場などを活用したマイ・タイムライン作成講座等の開催を総合支所とともに検討してまいります。


◆福田妙美 委員 

このマイ・タイムライン作成においては、最終的にどこに逃げるのかということが重要になってまいります。それが避難所です。地震と洪水時の避難場所が異なることがあります。また、多摩川の氾濫と野川、仙川の氾濫でも避難行動が変わります。現在、洪水ハザードマップに示した避難所が遠方過ぎる課題もあり、一時避難をする場所の考えも取り入れ、垂直避難の場所の確保も必要です。水害時の避難場所等の周知と実効性のある水害への訓練、洪水ハザードマップ等に記載されている避難場所、避難所について、地元住民の方の混乱があります。また、急激に水位が上がった際の垂直避難の考え方、避難が可能な建物の確認も必要と考えます。これらの課題を解決するためにも、避難場所の選定、地域の避難訓練で実効性のある訓練を実施すべきです。区の見解をお聞かせください。


◎河野 危機管理室副参事 

洪水等の水害に対する防災意識を高めるためには、ハザードマップ等の啓発物の配布を通して、地域の災害リスク、気象情報や避難場所、区が発令する避難情報についての正しい理解をしていただくことが重要です。
 一方で、委員お話しのとおり、地域によっては多摩川と野川、仙川の二つの洪水のおそれがあり、想定される浸水の深さや避難場所がそれぞれ異なるため、どこにどのように逃げたらよいかわかりづらい地域もあります。
 区といたしましては、地区の防災塾での取り組みや町の状況を確認するまち歩き、図上訓練等を通じて、自分が住まう地域の危険性について正しく理解し、自身や地域に合った避難の仕方を考えられるよう、また、水害に対する自助、共助の取り組みが進むよう、総合支所と連携して取り組みを支援してまいります。あわせて、浸水想定区域内にあり、想定される浸水深より高い公共施設等につきましては、逃げるいとまがない場合の垂直避難が可能な施設としての周知を図ってまいります。


◆福田妙美 委員 

常総市では、鬼怒川が決壊した後に市内の主な道路沿いの電柱などに想定浸水の深さを示す水位情報の看板表示を鉢巻きのような赤と青のテープで巻きつけられています。赤は鬼怒川が決壊したときの浸水、青は小貝川が決壊したときの浸水ということで想定を示しています。町の中で、視覚で浸水への注意喚起をするものです。二種類のテープが示す浸水の深さは、大人の背丈を超えるものも少なくなく、小貝川と鬼怒川に挟まれた低地であることを認識させる方法となっています。
 ここ世田谷区も、常総市と同様の河川、地域特性を持ち合わせています。日ごろから、通学時の子どもたちを初め、地域住民にも浸水情報を得ることで自然と命を守る行動につながりやすくなります。公共の場に浸水被害想定の見える化をすべきですが、区の見解をお聞かせください。


◎河野 危機管理室副参事 

ただいま委員に御案内いただきました常総市など、過去に浸水の被害を受けた自治体の中には、電柱などに想定される浸水の高さを示すことで、視覚的に浸水被害の注意喚起を促しているところがございます。また、スマートフォンのカメラをかざすと、水害時に想定される水位等を表示するスマートフォンアプリも開発され、導入している自治体もございます。
 区といたしましても、浸水が想定される地域等において、浸水想定の高さ等の各種情報を地域の中で表示することは、洪水の危険性を見える化し、実際の浸水をイメージすることで、区民の水害に対する危機意識の醸成、避難場所、避難所等の周知を図ることに有効な手段と考えております。電柱等への表示となりますと、設置や表示等に係る費用も発生することから、他自治体等の事例も参考に、水害に対する各種情報の見える化について、関係所管と連携して検討してまいります。


◆福田妙美 委員 

ぜひよろしくお願いいたします。





最後までお読みいただき、

ありがとうございました。


世田谷区議会議員     福田たえみ(妙美)

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