安心の暮らしを守る/17年度予算案・税制改正案のポイント | 福田たえみオフィシャルブログ「公明党世田谷区議会議員」

福田たえみオフィシャルブログ「公明党世田谷区議会議員」

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 政府が今月、閣議決定した2017年度予算案と税制改正大綱には、公明党の主張が数多く反映されています。教育や子育て、社会保障など生活に密着した予算案・税制改正案の主なポイントを紹介します。
 『予算案』
 『2万〜4万円の「給付型」創設』
 『来年度 私大下宿生など先行実施』
 約半世紀前から公明党が提案してきた返済不要の「給付型奨学金」が来年度から具体化します。
 対象者は、住民税非課税世帯で、大学や短大、高等専門学校、専門学校に進学する学生となります。給付月額は、国公立自宅生が2万円、私立自宅生と国立下宿生が3万円、私立下宿生が4万円です。児童養護施設出身者など社会的養護を必要とする学生には、公明党の強い主張を反映し、入学時に24万円が追加給付されます。
 「給付型」は、私立に通う下宿生や児童養護施設出身の学生約2800人を対象に、来年度から先行実施され、18年度から本格的に実施される予定です。
 一方、無利子奨学金も拡充。低所得者世帯の学生に対する成績要件を事実上撤廃します。基準を満たしても、予算枠の関係で借りられなかった「残存適格者」も解消されます。
 『教育環境の整備』
 『「通級指導」の教員を確保』
 「誰もが教育を受けられる環境」を整えるため、発達障がいのある児童・生徒が別室で授業を受ける「通級指導」や日本語指導などを担う教職員を確保しました。人材不足を解消するため、公明党は安倍晋三首相にも直談判し、教職員数が児童・生徒数に応じて自動的に決まる基礎定数化を予算案に盛り込みました。
 教育格差による「貧困の連鎖」を断ち切る一環として、年収約270万円未満の世帯を対象に、第2子の幼稚園保育料を無償化、低所得者世帯への支援を手厚くしました。また、年収400万円未満の世帯に私立小中学校の授業料を年額10万円補助する事業を始めます。
 さらに、大学授業料の免除枠も拡大します。
 『保育士、介護士の処遇』
 『賃金アップで人材確保』
 待機児童の解消をめざし、保育士の賃金引き上げと技能・経験に応じた処遇改善を強く求めた公明党の主張を踏まえ、保育士の給与を約2%(月額6000円程度)引き上げます。経験7年以上の中堅の人には、「副主任保育士」などの役職を新設して、さらに4万円を上乗せします。若手の場合も、研修修了を要件に月額5000円増やします。
 介護士の給与も月額平均1万円程度増やせるよう、介護報酬を加算するための予算を盛り込みました。
 併せて、保育や介護の受け皿をそれぞれ50万人分拡大する計画を着実に進めていきます。
 『無年金者救済』
 『来年10月から受給資格「10年」で支給』
 年金を受給する資格を得るのに必要な加入期間を25年から「10年」に短縮する改正年金機能強化法(無年金者救済法)の成立を受け、その裏付けとなる予算が盛り込まれました。
 来年10月から、新たな受給資格者に年金が支給される予定です。自営業者らが加入する国民年金は現在、保険料を40年間納めれば、月額で約6万5000円を受け取れますが、加入期間が10年の場合は4分の1の約1万6200円になります。
 無年金対策は公明党が一貫して訴えてきたもので、新たに約64万人が年金を受け取れるようになるだけでなく、将来にわたって無年金者を減らすことが期待されます。
 『働き方改革の推進』
 『長時間労働是正など支援』
 働き方改革の一環として、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の推進に向けた施策が盛り込まれています。
 具体的には、退社から出社まで一定時間を空ける「勤務間インターバル制度」を自発的に導入した中小企業を支援し、長時間労働の是正につなげます。
 また、同一労働同一賃金など非正規社員の待遇改善に向けた取り組みとして、正社員に転換した企業への助成金の増額や、賃金規定などの待遇改善に取り組む企業を支援します。
 賃上げに向けた環境づくりを応援するため、年功序列によらない能力評価制度を整え、賃金アップを図る企業に対して助成する仕組みも創設します。
 『防災対策、復興など』
 『洪水時の水位下げる対策進む』
 近年大きな水害や土砂災害が発生した地域の災害防止対策には304億円を充て、洪水時の水位を下げるための河道掘削などの対策が進みます。熊本地震関連では復旧費とともに、今年度第3次補正予算案には災害廃棄物の処理費用が追加されています。
 東日本大震災関連経費には2兆6896億円を計上。帰還困難区域の除染費用には309億円を盛り込み、5年後の避難指示解除をめざします。
 地方創生の分野では「地方創生推進交付金」が引き続き予算確保されました。
 また、観光庁の予算案は210億3500万円で過去最高となり、公衆無線LAN(Wi――Fi)の整備など外国人観光客の誘致や環境整備を加速させます。
 『税制改正案』
 『配偶者控除』
 『パート主婦9割超まで拡充』
 配偶者控除を見直し、パートで働く主婦がいる世代などの所得税が軽くなります。2018年1月以降、満額38万円の控除が受けられる配偶者(主に妻)の年収要件を現在の103万円以下から150万円以下に引き上げます。150万円を超えると、控除額が段階的に引き下げられますが、201万円までは控除の対象になります。
 配偶者控除を見直すことで、約600万人とされるパート主婦の93・5%、500万を超える世帯に対象が拡大します。
 減税になるのは、現在、配偶者の年収が103万円以上ある場合です。
 『エコカー減税』
 『2年延長。軽自動車も継続』
 燃費性能の良い車を税制面で優遇するエコカー減税は、対象をやや絞った上で、2019年3月まで2年間延長します。
 適用基準は、例えば17年度の場合、自動車重量税だと、国土交通省が定める燃費の「15年度基準」の10%以上であれば25%を減税、「20年度基準」を達成すれば、25%を減税します。
 また、自動車取得税だと、「15年度基準」の10%上回れば20%の減税、「20年度基準」を達成すれば20%減税、30%以上であれば免税になります。
 一方、軽自動車を購入した翌年度に自動車税や軽自動車税を軽減する「グリーン化特例」についても、適用範囲をあまり変えないで2年延長します。
 『中小企業』
 『2%賃上げ促す制度手厚く』
 企業の賃上げを後押しする「所得拡大促進税制」を2017年度から拡充します。企業が社員1人当たりの平均給与を前年度に比べ、2%以上引き上げることが条件。中小企業の場合、法人税額から控除する割合を現行の賃上げ総額の10%から22%にするなど、手厚い内容になっています(大企業は現行10%から12%に拡充)。
 さらに、国内のGDP(国内総生産)の約7割を占めるサービス産業の生産性向上に向け、中小企業向けの設備投資への支援を拡充します。事業に必要な設備(償却資産)にかかる固定資産税の減免措置は、これまで主に製造業が対象でしたが、サービス業の器具や備品も対象に追加します。
 『被災者支援』
 『住宅ローン減税など生活再建策を恒久化』
 災害で被災した際の生活再建を税制面で支援する特例措置を恒久化します。
 これまでは、大災害の度に、特例法を創設していたため、実施までに時間を要していました。しかし、災害が頻発している近年の状況を踏まえ、被災者の不安を解消し、早期の復旧・復興を後押しできるよう恒久化しました。4月の熊本地震の被災者にもさかのぼって適用する方針です。公明党が積極的に推進しました。
 内容は、住宅ローン減税の特例を適用し、住宅を再建する際の「二重ローン」の負担を軽減することなどが柱です。
 例えば、住宅ローン減税の適用期間中に被災して自宅を失った場合でも、継続して所得税などを控除。その災害が被災者生活再建支援法の対象に指定されると、被災家屋と再建家屋の両方に住宅ローン減税が適用されます。


公明新聞  2016年12月25日 付け