旅行会社時代にお付き合いのあった
派遣会社の方から声をかけてもらい
添乗員さんの研修を担当しています。
今年は、自分ブランド力を高めよう、と題し
「また、あなたと会いたい」と言われる人財になる
ポイントをお伝えしています。
自分の大切な人がツアーに参加するとしたら
どんな添乗員に同行してほしいか？
を考えてもうと・・・
・笑顔がステキ
・トラブル対応が的確にできる
・現地情報を教えてくれる
・嫌な顔をしない
・平等に接してくれる
などなど、多くの意見が出てきます。
どれもが大切ですが
「平等」という点で、私には苦い思い出があります。
それは・・・
添乗をしていると
お客様からチップをいただくことがあります。
その日も
朝、成田空港でお会いした際に
「お世話をおかけすると思いますが
よろしくお願いします。
これ、どうぞ。」
こう言われて、
小さな封筒を渡されました。
中身が何かは想像ができますので
「いいえ、結構です。
お気持ちだけいただきます。」と言って
お返ししますが、相手もまた差し出します。
そんなやり取りを2、3回繰り返した後
結局、いただくことになりました。
ツアー中、何もなければいいのですが
例えば、
ホテルでチェックインをしていると
1部屋だけ景色が良い部屋をもらったとか
全員が同条件ではない時があります。
そんな時は
くじ引きにしたりするのですが
心付けをいただいていると
その人に気持ちが傾くのです。
他のお客さまも
同じ旅行代金を払って参加しているのに
心付けをいただいたということで
公平性を保てなくなるのです。
そこで学びました。
チップや心付けをいただくことは
大変嬉しいことですが
最初にもらってしまうと賄賂になるということを。
その後は、初日にいただくことは止めました。
自分が苦しくなるから。
「結構です。お気持ちだけ…」のやり取りだと
相手も引き下がるわけにはいきませんから
お客さまにはこう言いました。
「お気持ちは大変ありがたいのですが
最終日まで預かっていただけませんか？
もし、私にご満足いただけた場合は
ありがたく頂戴いたします。」
最初にいただいたら、賄賂
最後にいただいたら、チップ
何事も勉強ですね。