毎朝、
野良猫たちにエサをやっているご婦人がいます。
冷たい風が吹く戶外
室外機の上で身を寄せ合い、暖をとる野良たち
ご婦人がエサを取り出すと
自然とお皿に寄ってきて、仲良く食べています。
しかし、相手は野良猫
電信柱には
「ネコにえさをあげないように」との看板が
ある時、そのご婦人が私に話しかけてきました。
誰かがエサをあげないと、
この子達死んじゃうでしょ。
実は、飼っていたネコが死んじゃってね。
気が滅入っていた時にこの子達と会って
元気をもらったの。
だから、毎朝ここに来てエサをあげてるのよ。
それに、
この子達が邪魔モノ扱いされないように
周りを掃除しているの。
でもね、通行人からは
「何でエサをあげてるんだ！」と
罵声を浴びせられることもあるし
先日は、お巡りさんからも注意されたの。
エサをあげ続けることは
野良たちのことを思う「善の心」
しかし、
永遠に与え続けられるかと言われれば、答えはNo
病気になったら？
引っ越しをしたら？
エサを与えてくれる人はいなくなってしまう。
野良たちは生きるために
その日から自分たちでエサを探さなければならなくなってしまう。
「善のおごり」
という言葉を聞いたことがあります。
・相手のことを思っての行動
・良かれと思っての行為
しかし、もしかすると
それによって依存心が強くなり
自分で考えたり、行動することを止めてしまう危険もある。
ご婦人の行動も
元々が、善いことだけに
・なんでわかってくれないんだろう？
・こんなに尽くしているのに
と自身を正当化してしまうのかもしれない。
「善の心」が
「善のおごり」になる可能性がある
自分自身の言動も気をつけなくちゃ。