向田邦子さんが飛行機事故で亡くなってもうすぐ42年。
いまでも人気が衰えないのは、彼女の著作を読むと至極納得。
その感性は真実をしっかり見抜いている気がします。
『向田邦子暮しの愉しみ』(新潮社 とんぼの本)
この本では、手料理、器えらび、暮らしぶり、行きつけの店、旅など、向田さんのライフスタイルが写真入りで紹介されています。
なかでも「向田邦子が選んだ食いしん坊に贈る100冊」というページには、向田さんの食いしん坊魂をゆさぶった本がずらり。
福ぶっく堂にある本も数冊含まれていたので、並べてみました。
『美味礼讃』ブリア‐サヴァラン
『御馳走帖』内田百閒
『檀流クッキング』檀一雄
『食通知ったかぶり』丸谷才一
タイトルからも食通向けなのがわかります。
『坊ちゃん』夏目漱石
『楢山節考』深沢七平
『火宅の人』檀一雄
『流れる』幸田文
この名作のあの場面がそうなのかな・・・と思い出したり。
『女たちよ!』伊丹十三
『私の浅草』沢村貞子
このお二人のエッセイに出てくるものは、味も一級品まちがいなし!
『あ・うん』『父の詫び状』『無名仮名人各簿』など、向田作品はこの機会に読み返したい本ランキング急上昇。
向田邦子を切り口に、読書の巾が広がるだけでなく、食いしん坊に拍車がかかるのでした。