3月は卒業や異動など、人生の区切りが訪れる時期です。

そこでいろんな人が今までの人生を振り返って記した自伝を集めてみました。

 

昨年末他界された安野光雅さんの『絵のある自伝』 には、故郷・津和野の思い出や、絵本にまつわるエピソードなどに、やさしい水彩画が添えられており、2倍楽しめます。

 

壮絶でショッキングな生い立ちなのが、以前Facebookでもご紹介したこともある

ハリエット・アン・ジェイコブズ 『ある奴隷少女に起こった出来事』 

そして金子文子 『何が私をこうさせたか』

彼女たちが背負わされた過酷な運命は、現実とは信じたくないほど。

辛く苦しい体験を彼女たちがしっかり書き残してくれたことに感謝して、少しでも差別や偏見のない世にしなければ・・・

 

湯川秀樹 『旅人 -ある物理学者の回想- 』 は、湯川博士が50歳の誕生日を機に自己の生涯を回想して書いたもの。 文学作品のような崇高な文章は自伝の域を超えています。

 

自伝が小説という形になっているものとしては、

阿久悠 『無名時代』

小林信彦『東京少年』

があります。読みやすくて、当時の空気がありありと伝わってきます。

 

この他にも、 『フランクリン自伝』 

梅棹忠夫 『裏返しの自伝』

江藤淳 『幼年時代』

木田元 『闇屋になりそこねた哲学者』

山本容子『マイ、ストーリー』

など、その分野で大きな仕事を成し遂げた方々が、自らの人生をどう振り返っているのか、興味深いです。