今日はプチ・プレゼンがある。あと一時間ほどで、それに向けてうちを出発することになるんだけど、とりあえずアタマの中を整理しておこうと思う。
このプレゼンはResearch Methodという授業の中で行われる。研究の仕方を習う授業なので、いかにして文献を探すかとか、レビューをどのように書くかというところに重点が置かれていて、内容よりも方法が重要だ。研究の内容は自由なので、ぼくも自分の関心あることについて調べているが、周りの学生もそれぞれ好きなことをやっているので、あまり込み入った話をしても、誰にも理解されないと思った方が良い。だから今回のカギは、どれだけ基本的なところを分かりやすく話すか、になってくると思う。
テーマはTrasfer of organisational practice in multinational corporationsとなっている。国際企業において、習慣がどのように伝達されるのか、と和訳してみても意味はなかなか分かんない。
少し想像しやすくするために1つケースを挙げてみると、3Mというアメリカの企業があるのだけど、この会社はイノベーションってのを企業の理念に掲げていて、変わったルールを社内に持っている。利益の30%は過去4年以内に開発された新製品から生み出す、従業員は就労時間の15%以内を、直接業務に関係ない製品開発やMTGに当てることができる、など。
面白いことには、この3Mは日本に住友との合弁会社を持っていて、この子会社においてもこのユニークな風土(と文献には記される)が伝達されているみたいだ。日本人には受け容れがたいんじゃないだろうかと思われる、なんとも人を管理しにくい社内ルールを活かし、サガミハラ研究所で、アメリカ人には思いも拠らなかったカワイイ文具とかが開発されていたりする。
よくある経営論に於いて、競争優位性の理論がよく2種類に分類されるのだけど、1つはマーケットポジションによるもの、もう1つは企業のコア・コンピタンスによるもの。ぼくの取り扱うケースでは後者に主眼を置くことにしている。理由は、ビジネスを取り巻く(あるいは社内でも)環境の変化が加速しているため。企業にはラーニングが必要だってのはよく言われているし、業界のリーダー的ポジションを獲得しても、変化に対応できる力がなければ思わぬところでコケたりするから。
コア・コンピタンスっていうのは、他の企業に真似しにくい企業における強みなのだけど、これはよくHRと結びつけて語られる。別の例では、トヨタがGMより強いのはカイゼンに全員掛かりで取り組む企業風土にあるっていうのがよく言われることだけど、これって確かに真似できない。仕組みだけを取り入れても社員の個人レベルでのコミットメントが得られなければ、だいたい掛け声だけに終わってしまうからだ。
じゃあ、この企業に特殊な行動特性だとか仕組みだとかって、海外の子会社に簡単に伝達できるものなのだろうか。もちろんNOで、たくさんの学者や経営者がこれを否定している。今回のぼくの参考にしている文献の中で、Kostovaって学者は、社会的、組織的、関係性という3つのレベルでの背景が、この伝達に影響すると述べている。もう少し具体的には、社会的背景というのが、国ごとの法や制度、価値観、言語など。組織的というのは、企業の組織文化と、伝達される内容が暗示する組織文化。最後の関係性というのが子会社側のキープレイヤーのコミットメントや親会社への信頼。
じゃあ、前述した企業の日本における子会社での革新的な環境、もちろんこれはそこにいる人の行動特性から生み出されるものなのだけど、というのはどうやって実現されたのか。ケースを詳細に見ながら分析したいと思う。
・・・5分で話せない。