Transfer of knowledge in multinational corporationsというのが今回の8000word論文のテーマに設定された。4月終わりに提出なので、約3ヵ月このテーマと戦うことになる。
初めてスパーバイザーに会い、自分の興味のある分野を説明したところ、彼が優しいのか、ただめんどくさがりなのか、ベースになるであろう2つの論文を与えられた。そこで紹介されているフレームワークを使いつつ、ケースを見つけてきて、そこで云々かんぬんと理屈こねることになる模様。
ふつーSVはこんなことをしてくれるわけではなくて、むしろこっちが必死にやることにツッコミを入れるのが仕事らしいのでラッキーなのかどうなのか。
上記テーマを日本語にすると、国際企業における知識の伝達となるのだが、ここでいう知識って言うのが、最新技術や新しい情報ではなく、もっと習慣
的なものであったり、日常的な物事の「やり方」を意味するらしい(2つ目の論文にはStrategic organizational
practiceと言い換えられている)。
例えば、イノベーション促進ために就業時間の15%を業務に直接関係しない作業に当てる、というのはアメリカの3M社の手法なのだけど、こういう
のを指している。あとはトヨタウェイだとか、リクルートマンシップみたいなのもそうなんだろう(今からケースを見つけなきゃならないんだってば)。
言うは安し行うは難しで、この習慣がほんとに実行され、当たり前のものとなるまでされるのは難しい、というのは感覚的に分かる感じ。だいたい本部
が新しいことを言い始めると、現場レベルでのマネジメント層は「また?」ってなるわけなので。それどころか余計な費用が突然降って来たりするわけなので
(イヤな記憶がたくさん)。
ソレを企業風土っていうんじゃないのかしらと、漠然と思いながらもらった論文をざっくりとのぞいてみると、Kostovaの方がこれら伝達を妨げ
るモノを分析するフレームワークを紹介していた。大きく3つに分けて、社会、組織、個人の関係、という背景があるのだと言う。国によって違う文化や価値体
系があり、組織内にもソレがある上に、最終的には人間関係的な問題があるから、ベストプラクティスにならえ!と一言に言っても難しいわけだ。
一方のSzulanskiは、知識の伝達を阻害する要因として、4つ(知識の性質、情報源、受け手、背景)を挙げている。人様に教えられるほど確
かなわけじゃないんです、とか、うまく行ってる気はするけど最終的には数字見なきゃよく分かんない、とかいうのが知識の性質。その他、情報源を明かしたく
ないだとか、別に人から教えてもらいたくない、とか、習っても定着しないとか、諸々の要因が挙げられていて、それぞれすごく実体験に即して感じられるのが
おもしろい。
なるほど漠然と風土だとか言っても、うまくブレイクダウンできるものだなぁと感心しながら、さて、どうやって自分自身の作文を進めたものだろうかと。