近頃、高齢者の自動車事故が増えています。
その原因が、以前ではアクセルとブレーキの踏み違いだったのが、
最近では、運転者がどうしてそうなったのか分からないケースが多く、
その多くは認知症が原因ではないかと疑いがかけられています。
厚生労働省研究班の調査では、65歳以上で4人に1人の方が「認知症」、
もしくは「認知症予備軍」となるといわれています。
このままだと今後ますます、認知症による自動車事故が増えることが
予想されます。
早急に、対策を講じなければならない時期に来ているようです。
こうした大きな事故の他にも、介護の問題、
さらには、自分が自分でなくなってしまうかもしれない・・・。
年齢を重ねるごとに、私もいつかは・・・家族もいつかは・・・
と、恐怖や心配を抱く人が増えてきています。
今世界中で認知症に対する関心は高まっており
日夜研究が続けられております。
認知症の発症には諸説ありますが、
「ある2つの物質が脳細胞神経を破壊すること」が
その原因の大半を占めています。
その中でも有力とされているのが
【アミロイドカスケード仮説】といわれるものです。
1 アミロイドβ・・・・脳細胞の老廃物で、溜まってくると
脳神経細胞の先端部を傷つける
2 タウタンパク質・・・脳神経細胞の中に溜まっていき、
神経細胞そのものを死滅させる
まずは、アミロイドβの蓄積から始まり、その後
タウタンパク質の蓄積が始まっていきます。
その結果、脳の萎縮につながり、認知症を発症するというものです。
タウタンパク質については、加齢により誰しもが出てしまう物質のようです。
アミロイドβについては個人差もありますが、
45歳から蓄積が始まっていくようです。
この仮説を元にすると、
【今現在健康な方でも、アミロイドβが多いと今後認知症を発症するリスクが高い】
ということが言えます。
健康な方であっても、アミロイドβの検査をすることにより、
今後認知症を発生するリスクを予想することが出来る訳です。
さらに、アミロイドβが増えることを抑制する薬が出てくれば、
早い段階から認知症予防対策を講じることが出来るようになるでしょう。