枯れた技術の水平思考 | 寂しげサラリーマン、時々超高圧ベーシスト in Pyeongtaek

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日々の反省と感傷日記。いまは韓国駐在日記をつづっています

韓国にやってくる出張者たちにはほとんどもれなく韓国焼酎を飲ませることになるわけですが、


酒好き、特に焼酎好きな人に韓国焼酎を飲ますと、


「・・・何も味がしねえ」


と頭から拒否する人がたまにいますね。わたしもだいたい同意見ですが、度数が上がれば味がしなくなるのは当然で、使い方を工夫すればいいのです。


、、、とはいっても、韓国での焼酎の飲み方は、とにかくストレート一本を外角低めに叩き込む、ほんとに飽きもせずただただそれだけ。なので、


「これ、うまいと思って飲んでるの?」


とスタッフに聞いてみるものの、


「すごくおいしいというものではありませんけども」

「酒ですから」


という感じの答えが返ってくる。酔えればいいようだ。辛い物、甘いもの、そうしたものには多少は合うとは思うけど、わたしはビール党なので、そもそも焼酎じたい日韓問わずおいしいとは思いませんな。



そんなこんなでわたしは2年間暮らしてきて、ある日、いつものように飲み屋で酒を頼もうとすると、スタッフがとつぜん大騒ぎを始めました。


「スナリがある!」

「えっあるの!!」


「スナリ」とは、字面だけゆっくり読むと「スンハリ」という名前で、ゆず・オレンジ風味を加えた韓国焼酎です。


ずっと品切れ状態だったらしいのですが、ここ数カ月でメーカーががんばって大増産して、韓国内で一般にもいきわたるようになってきたようです。田舎のコンビニにも並んでいます。



男のスタッフが何人もいて、うおーーうわーやったーとか大声で突然言い出すので、おまえら、たかが焼酎1本がそんなにうれしいことなのか、とわたしは面白いやら驚くやら。


ほんでこれ、飲みますとですな、、、


まるっきり「スクリュードライバー」と同じ味がするのよ。スクリュードライバーというのは、ウォッカ+オレンジジュースです。


わたしはスタッフらとは別の意味でけっこう感動しましたよね。そうか、これも正しい韓国焼酎の使い方じゃないか、と。


たしかに韓国焼酎には、これといった特徴がないのです。であるがゆえに、カクテルのベースとしては完璧。ウォッカよりもさらに安く、アルコール度数もおおむね適切。ウォッカに比べると、多少の甘みを持っていてフルーツと相性がいい。ジュースを加えて出来上がったカクテルは5度から15度ぐらいまでで調整できる(スンハリは14度だった)。そもそも韓国人は混ぜるのが大好き。


これ、なかなかすぐれた用途発明じゃないの?


これを皮切りに、ブルーベリーやらなんやら、韓国ではフルーツ風味の焼酎が世に出ました。これを書いてる今はもうブームは終わった感じもしてますが、これは、物の使い方としてはかなり理にかなっているような気がしますね。長持ちすると思います。


韓国の酒文化は、この調子で生ビールでも活路を開いてもらいたいところです