肩の受傷、父の入院と認知症の発症、謎の足の腫れと痛み、

加えて自分の仕事もなかなか上手く回らずに、生活が困窮して…と、

一昨年から去年、今年の春までと、私にとっての大きな問題が続きました。

今もそれは続いているのですが、

少しずつ夜明けの明かりが見えてきたようにも感じています。

 

 

肩は、ほぼ治ってきました。

ずっと受傷した方の肩が痛み、引き付けも弱くて

ロックオフのムーブが出来なかったのですが、

今年に入って、急に出来るようになりました。

生活苦から病院にも行けなかったので、自然と治るのを待つことにしたのですが、

私の身体は、きちんと治してくれました。

 

また昨年末のある日、

歩いている最中に 足の甲がピキッと痛んだと思ったら腫れてきて、

上手く歩けなくなりましたが、その足も今は良くなってきました。

 

硬膜下血腫の手術をした父は、病気は治りましたが認知症を発症していました。

今年の1月の末に、本人のたっての希望で自宅に戻りましたが、

最初のころは徘徊をしてしまったり、救急搬送をされたり、、、

私一人しか父の面倒を見る人間がいないため、

どのような状況であっても 急に迎えに行かなくてはならず、実に大変でした。

 

でも、父の様子を観察していると、

どうやら認知症は、心の空虚さと大きく関連しているようでした。

なので、私も覚悟を決めて、レッスンのない日は

父のケアのために必ず実家に行くようにしました。

すると、少しずつではありますが、父の状態が落ち着いてきたのです。

もちろん波はありますが、心の安定とともに、

認知の症状も落ち着いてきたように思えます。

 

父の状態が安定してきたので、

少し前から友人と待ち合わせて、ルートをする時間も作れるようになりました。

昨年の12月から ずっとまともに登れる時間がなかったので、

かなり弱くなっているだろうなと思いつつ、

新しく変わった壁の11前半くらいから、トライを開始しましたが、

驚いたことに、さほどの衰えを感じず登れています。

 

多くの人が落ちている、という悪評の高い(笑)何本かのルートも、

全てオンサイトで切り抜けられて、11cのトライに入りました。

新しく変わった11cを2本オンサイトし、まだやっていない11cはあと3~4本。

 

昨日は 11cのオンサイトトライに加えて、

TSUNAMI壁の12aのリピートにも取りかかりました。

これは完登はなりませんでしたが、

ゴールまであと3手のところまで迫ることが出来ました。

 

どのルートも、予想以上に楽に登れていて、自分でも不思議です。

空気と調和がとれている感じ。

 

クライミングはフィジカル要素が強いと思い込んでいた以前の私は、

少しクライミングに間が空くと、

「指の保持力や腕の引きつけ、そして持久力が弱ってしまって登れないのでは⁉」と

登る前から心配し、動きは固く集中力も欠いて実際に心配通りになっていましたが、

今はそういう力みがなく、とてもニュートラルな感じでトライが出来ていて、

良い集中力を保ちつつ、攻めるべきところはきちんと攻められていると思います。


自分を変えたくて入門した「宇城空手」の教えに、

”筋力ではない、心のエネルギーから発する「気」の力”がありますが、

少し、それが出来るようになってきたのかもしれません。

 

そしてこの1年ちょっとで起こった、自分にとっての不運な出来事は、

私を変化させるための天からの教えだったのかな、とも感じています。

怪我からは、自然から頂いている自分の力を信じることを教わり、

父のことからは、覚悟を決めて父のために動こう、と思えるようになったことで、

自分の心のエネルギーが高まり、気力が育ってきたのだと思います。

そしてこのことが、クライミングのパフォーマンスにも影響している。

これは、大きな自信になりつつあります。

 

今、変化への手応えを感じて、真っ暗なトンネルの向こうに

明るい世界からの光が仄見えている…そんな気分です。