田中さんは先週飲み会とゴルフでほとんど帰ってこなかった。
今週も急な飲み会でまた帰ってこなかった。
そして日曜日はテニスの人たちと食事だといって出掛けて行った。
日曜日の夜は毎週一緒にごはんを食べるのが日課だった。たった1日くらい…と思うかもしれないけど
平日1日も一緒にごはんを食べない私たちにとって、少なくとも私にとっては
日曜日の夜は楽しみの一つだった。
おじさんが亡くなったことで
母のため息やマイナス発言が増えたことに加えて
その日曜日のことが影響してか
平気なフリしてたんだけど
心がうまく保てなかったみたいで
突然の大出血が起きた
生理ではない不正出血。
何日も続いて
3日目に顔を見ると血の気が引いてた。
私は彼に、この結婚に何を期待していたんだろうと
自分に問いかけた。
誰かに愛してもらえたら、
この人なら愛してくれる、
そう期待して
むこうも私との時間を大事にしたいと思ってくれてると思っていた。
そう言ってくれてる時もあったから
ちゃんと信じていた。
結局、私は何度結婚しても
誰からも愛されることはないし
私と結婚する人は
『結婚』がしたかっただけ。
私じゃなくても良かった。
タイミング的にも経済的にも通勤距離的にも
ただ、「ちょうどよかった」だけ。
私は何度も何度も期待してしまっていたけど
これで目が覚めた。
出血と共に心も覚めた。
何も期待しない。
自分のためだけに生きていこうと。
田中さんにとって結婚してくれる相手さえいれば
それでよかったんだなー。
自分より若くて
モテなさそうなコなら。
平日は残業か飲み会でいないのは分かったし
休みの日も私といてもつまらないだろうから
ヨガかプールの日、ギターの日、勉強の日で自分磨きしていこう。
『自分のためだけに生きる。』
『自分のご機嫌をとってあげる。』
夜桜を見ながら
そう自分に言い聞かせた。
そして処方された
排卵誘発剤はとても気持ち悪くて
もう、生理来なくてもいーかな、と思って
2日目で飲むのをやめた。
きっとまた気がむけば
生理もきてくれるでしょ。
ダメならもう閉経でいーよ。
子宮に振り回される人生に疲れた
どの男もほんと最初だけ。
愛してはもらえない。
容姿もかわいくないし
酒も強くないし
性格もかわいくないから。
私の人生なんてそんなもの。
男はみんな酒に強くてノリよくて
話してて楽しい人の方が好きだよね。