お米の検査施設に、この幟(のぼり)を三つとも

掲げてするのは、多分ここだけだと思います。

 

 

私の受け持ちは、自主検査といって、

当きたそらち農協では、品質を安定させるために

全ての玄米に色彩選別機をかけて、

調整しますが、色選オペーレーターに

調整度合を伝えるために、受け入れた玄米を

等級別に区分するのが、自主検査になります。

 

最近は、等級を判定するための機械類の

精度が向上しています。

 

 

これが判定の基本となる

「整粒(せいりゅう)」か、どうかを

瞬時に判定する「整粒判定機」です。

 

玄米の区分は、基本的に70%以上あれば、「1等米」

と判定される「整粒」とそれ以外の

「未熟粒」「被害粒」「死米」「着色粒」等に

区分されます。

 

判定結果は、この用紙に印字されますが、

 

 

今年は、「整粒」の範囲である

「活青(いきあお)粒」と

「未熟粒」の範囲となる「青未熟粒」の

機械の判定結果が、「甘いんじゃないか?」と

検査員の資格を持っている仲間が一同に

口にしています。

【整粒判定が甘いことは、

組合員のプラスになることなので、

基本的にJA職員は、喜んで受け入れますが、

余りに「甘い」と実需からのクレームが

恐ろしくなります。】

 

整粒判定機は、事前に専門業者の

静岡製機というところで、

調整していただいていますが、

整粒判定機の写真を見ていただくと、

黄色いテープで何か紙が貼ってあります。

 

これが、農水省からの今年のメッセージ

なのかもしれません!

 

 

多分農水省は、今の「米不足」に対応して、

「未熟粒」となる「青未熟粒」から

1等米の原料で「整粒」となる「活青粒」に

上げる基準を、従来より甘く設定しなさい!と、

静岡製機にメッセージを伝えたんじゃないでしょうか?

 

 

ただその区分は、凄く微妙で

私が目視で区分してみましたが、

透明感のある薄緑色が、「活青粒」で

 

透明感がなく白っぽい緑色が、「青未熟粒」になります。

 

これをパーラーと言う簡易精米機にかけると

 

スーパー等で売っている米袋の中に入っている

製品白米となっているか、どうかが解ります。

 

 

これが「活青粒」の精米結果で

「活青粒」は一般の「整粒」と同じ、

90%程度が白米となります。

 

 

一方、「青未熟粒」の精米結果は、

上段が製品とはならないもので

下段が製品白米で、一見50%程度に見えますが、

砕けて粉になっている粒もあるので、

50%以下の製品歩留まりだと思います。

 

多分、農水からのメッセージは、

精米歩留まりが低下しない範疇で、

「青未熟粒」のうち精米後写真の下段のように、

製品白米となるものを「活青粒」に区分するよう

メーカーの静岡製機に指示して、

静岡製機は数回の精米試験を経て、

精米歩留まりのロスがないようにして、

「青未熟粒」から「活青粒」へ仕訳変更となるよう

整粒判定機を調整しているんじゃないでしょうか?

 

そうたどすれば、全て辻褄が合います。