ルイ・グレーラーのヴァイオリン抒情小品集を見つけた | 復刻版

復刻版

栄光より挫折、成功より失敗、勝利より敗北…。

先日、福岡へ行ってきた。
その目的の一つが、
中古レコード・CD探しであり、
今回はハードオフへも行った。

今までは、行けなかったが、
意を決して出向く…。
鹿児島本線で竹下駅まで行って、
ららぽーと福岡を横目に
テクテク歩いた。

店舗には他店と同様に、
レコードコーナーや、
CDのコーナーがあるが、
主に目的はジャンク品!
ハードオフの通常の商品は、
概して高いからである。

通常の品を念のために見たが、
案の定、価格は高めだ。
おまけに、ろくなものがない。

ジャンク品の箱を見たが、
CDはゴミばかりだった。

レコードも枚数が少なく、
中でも12inchシングルが多くて、
「ダメかな」と諦めかけた時、
間から1枚の10inch盤が出てきた。


日本グラモフォンレコード LG-1093


ヴァイオリンの写真が付いた、
日本グラモフォンの盤だ。
シュナイダーハンかフェラスか?
と思って裏を見たら、
ルイ・グレーラーと記されていた。
「ヴァイオリン抒情小品集」と
タイトルが付けられている…。

ヴァイオリン奏者ルイ・グレーラーは、
クロールSQのメンバーで活躍し、
後にストラヴィンスキーのバレエ曲
「アゴン」の初演時に、
ヴァイオリン・ソロを弾いた…。

シンフォニー・オブ・ジ・エアの
コンサートマスターを務めた後
来日して日本フィルや札幌響の
コンサートマスターとして活躍した人だ。

発見した10inchのレコードは、
そのルイ・グレーラーが、
日本で小品を録音した
貴重なレコードだったのだ。
60年代初めの盤だと思うが、
私は初めて見た…。

また、収録されている曲も、
ドルドラのスーヴェニールや、
リムスキー=コルサコフのインドの歌
タイスの瞑想曲に
アンダンテ・カンタービレなど
珠玉の名曲揃いである。

伴奏のピアノを弾いているのが、
河野純子さんと記され、
レオ・シロタ氏にピアノを習い
安川加寿子女史に師事、
ヴィオラ奏者のご主人と共に
日本フィルに所属していた人らしい。

そして、日本フィルの繋がりで、
コンサートマスターの独奏録音の
伴奏を任されたのであろう。
日本グラモフォンも積極的に
日本録音を行っていた…。

それにしてもハード・オフ。
わざわざ行ってみるものである。
思わず珍しい盤が見つかり、
しかもジャンク価格の110円!

この手のレコードは珍しいが、
ほとんど人気は無く、
一般的に知られていない奏者なので
さほど売れていないと思う。
ゆえ、中古市場に出回らない…。
そんな盤が入手出来て、
新年早々ニコニコである。

帰りはららぽーと福岡へ寄ったが、
大規模商業施設ゆえ、
博多や天神方面のバスがあり、
竹下駅から歩くよりは、
かなりアクセスが良い!

でも、またハードオフへ行くか?
と問われれば、今回は偶然に
珍盤が見つかったが、
品揃えから考えると、
わざわざ行くには躊躇しそうだ…。

さて、今回の福岡行き。
もう一枚、珍しい盤をゲットした。
果たしてどんなレコードなのか?
こちらは別の機会に…。