ケンペ指揮レハール「金と銀」ワルツ | 復刻版

復刻版

栄光より挫折、成功より失敗、勝利より敗北…。

私が高校生の頃だったか、
立川澄人さんが司会をされた、
FM放送の音楽番組で、
大好きなレハールのワルツ、
「金と銀」をリクエストして、
かけてもらったことがある。

私のつたない文章を、
大声楽家の立川澄人さんが
読んで紹介してくださって
感激したことが忘れられない…。

そのリクエストの「金と銀」は、
私の大好きな曲の一つで、
楽しいきれいな旋律を聴くと、
とても幸福な気分になる。

名曲だけあって、
新旧いろいろな演奏が、
LPやCDで出ているが、
ルドルフ・ケンペの指揮が
特に秀逸だと思う…。

ケンペの指揮は3種類あって、
ウィーンフィルのEMI録音、
リーダースダイジェストの録音、
晩年のドレスデン録音があるが、
解釈に大差がない。
基本的にはどれでも良い!

なお、リーダースダイジェストは、
変名指揮者となっていて、
また、演奏自体も知られてなく、
指揮者名を解明した資料も無いが、
特徴ある解釈から、
私はケンペだと断定している。

チェスキーで再発されなかったが、
K.ウィルキンソンの名録音なので、
是非、再び日の目を見るように
願って止まない演奏だ…。

ケンペについて語ると、
わたしが中学生の頃、
自宅近くのレコード店で、
ケンペの指揮したブラームスの
交響曲を注文していた
お客さんがいた。

当時、東芝の廉価盤レーベル、
セラフィムで発売されていたが、
ケンペの演奏を知らなかったし、
廉価盤の演奏家を見下していて、
ケンペにも偏見を抱いていた。

実は、ケンペは大指揮者であり、
ブラームスも名演で、
オリジナル盤は高価!!
と知ったのはずっと後だ。

そのケンペの「金と銀」は、
実に巧妙な解釈…。
ゆったりと気品が高い演奏で、
途中、演奏が止まりそうな、
大胆なルバートをかけるが、
それが巧みなのである。

聴いたら忘れられない名演!
亡くなった宇野功芳氏は、
ドレスデン盤を推していたが、
ウィンナーワルツの本家本元、
ウィーンフィルも素晴らしく、
私はそれを聴いている…。

オリジナルのLPは高価だが、
90年代後半に出たCDなら、
中古の2枚組が数百円で買える。
聴くにはこれで十分!!



ハイドンの交響曲104番や、
R.シュトラウス「ドン・キホーテ」の
旧録音が収録されていて、
これらも名演!!
廉価だが充実したセットだ。