2013年9月20日 箱根のゴルフ場で

脳幹出血発症

御殿場のM脳外科へ3週間入院

板橋のI〇Sリハビリ病院へ転院

2か月半入院

2014年1月 会社へ復帰

睡眠障害、摂食障害、パニック障害発症

 

 

 飲まないと食べられない

 

 

左右で遠近感が合わない目、2等船室を歩いているようにグラグラ揺れる頭、

 

ふらついていつも酔っ払いのような足、何かを持つと重さに負ける体幹、

 

何も解決しないまま、2014年は障害者手帳を手に終わろうとしていた。

 

この頃、障害者と自覚した私は、身体的なことには目を瞑った。

 

優先順位としては、食べられないことがまず第一の問題だった。

 

これ以上痩せてしまったら死んでしまう、と勝手に思っていた。

 

私の親友は、49歳で胃がんで亡くなった。

 

亡くなる前の2年間、当時すでに手術ができない状態で、

 

何も食べることができなかった彼女は、24時間点滴をしていた。

 

それでようやく1600kcalが取れるということだった。

 

人が食事をせずに点滴で生きていくには、24時間の点滴をしなくてはならない、

 

ということを私はその時に知ってしまった。

 

だから食べなくてもなんとかなる、とは到底思えなかった。

 

そんな思いが拍車をかけたのか、食べることを考えるだけで

 

世の中が真っ暗になるような、絶望感を感じていた。

 

夜はビールを飲まないと何も食べることができなかった。

 

心療内科の薬を飲んでいた私は、さすがにまずいだろうと心療内科の

 

野田先生に「飲まないと食べられません」と素直に言った。

 

薬がきかないとか、治らないとか言われるかもと思ったら、

 

「必要悪だな」と認めてくれた。

 

これには、えっ、いいの?とさすがに私もびっくりした。

 

このころの私の食事事情といえば、朝 起き抜けに高カロリーゼリー

 

「エネビット」を一気にお腹に入れる。(これで200kcal)

 

その後、豆乳、ヨーグルト、果物3種類くらいをスムージーにして

 

約500mlを一気飲みする。(これで300kcal)これで、朝食は終了。

 

 お昼はファミレスで、フルーツの入ったヨーグルトと

 

オニオングラタンスープもしくはミネストローネスープで終了。

 

これが精いっぱいだった。

 

夜はビール中瓶2本で、つまみを流し込む。

 

ネットでも「太りたいのに太れない人のサイト」へアクセスして、

 

いろいろな情報を仕入れた。

 

自分でもカロリーを摂取しやすい食べ物を捜しては試していた。

 

たくさん試した中で、私が気に入ったのがエネビットゼリーだった。

 

200mlで200kcalとカロパ(?)もいい。

 

他の高カロリー食品は味にクセがあるものが多い。

 

メイバランスとかエンシュアも味の種類はたくさんあるけど、

 

高カロリー食特有の味がする。

 

唯一、エネビットゼリーは、ウィダーインゼリーとかと比べても、

 

負けないくらい美味しい。

 

これは数年間にわたって私の朝食補助食品となったし、

 

母が晩年痩せてしまったときにも実家にたくさん送って喜ばれた。

 

とにかく、

 

「食べたくなくても食べる、栄養価は無視してカロリーだけは取る」

 

をモットーに時には涙を浮かべながら食べ物を口に運んだ。

 

飲み物は意外と平気だったので、カロリー摂取のため、

 

むやみにガムシロップを入れて紅茶やコーヒーをストローで流し込んでいた。

 

食べることが辛い毎日は絶望的だった。

 

この頃は「多分私は一生何かをおいしく食べることはできない」と

 

マジで信じていたから。そうやって無理にカロリーを摂っていたけど、

 

無理に摂ったカロリーはすぐには身につかないらしい。

 

体重計には怖くて乗れなかったから、正確ではないが、

 

多分40キロには届かないまま、2014年が終わった。

 

2015年はどうなるんだ、わたし??    

 

                           to be continued.

 

 

 

 

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