「4月から、なにか変化ある?」


この時期になると、メイク室で飛び交う言葉。あたりまえのように存在していたいくつもの番組がこの春で終了し、なんだか、大きな歴史的転換点を感じずにはいられないのですが、ここまで大きなケースは稀にしても、「4月」は、世間と同じように、なんらかの変化が生じる時期。


僕はといえば、大きな変化はなく、「ロケットマンショー」は9年目、「きらクラ」は3年目。「5時に夢中!」も就任してから3年目に突入することになりました。これだけたくさんのタレントさんが存在するなかで、「変化なし」というのは幸運にちがいないでしょう。つくづく恵まれているなと思うのであります。


ことに「5時に夢中!」に関していえば、これまで月曜日から木曜日までの司会を務めてきましたが、このタイミングでまさかの「一曜日追加」。月曜日から金曜日まで担当することになりました。いまとなっては、ローカル局とは思えないほどの認知度と影響力を持ったこの番組。なんだかんだ、司会をやりたいと思っている方もたくさんいらっしゃるかもしれません。そんな中で、継続に加え、一日追加という判断をいただいたことは本当に光栄なこと。


ただ、これまでは、木曜日の18時に燃え尽きてしまった体を、金曜日のクラシック音楽で癒し、土曜日の深夜に、一週間に溜まったものをぶちまける、そんな流れがあったのですが、たかが一日、されど一日。金曜日が追加されることによって、体に、日常生活に、どのような影響を及ぼすかはやってみないとわからないところ。しかも、共演メンバーから想像しても、決して油断することの許される日でないことが窺えます。未開の地へ踏み込む感覚。


初年度からいきなり月金よりはまだ、多少の肩慣らしはできているかもしれません。そういう意味ではちょうどいいタイミングなのでしょうが、日常生活の大半を半蔵門で過ごすことになるわけです。もはや、契約社員から正社員になった気分。僕は、MXテレビに就職してしまったのでしょうか。そろそろ、普段使う楽屋でアロマでも焚きはじめるかもしれません。家から加湿器とか持ってきて、テーブルとか、絨毯とか、内装も自分好みにカスタマイズ。もちろん、ほかの方も使うので、実現不可能ですが。


昔と違うのは、いろいろと打診されること。判断を委ねられること。「どうしますか?」と訊かれ、いま基準になっているのは、「人生で、そんな時期があってもいいか」という意識。一生続くわけではなく、僕は、いま、そんな時期にいる。


 テレビ、ラジオ、舞台、作曲、執筆。いったい、情熱大陸はいつ僕に密着してくれるのでしょうか。いまを逃したらもう、密着しがいのある時期はやってこないと思います。次の現場へのタクシーのなかで語ることも準備しているのに。カメラ持ってアイスランドにだって行くのに。いまのところまったく気配がないので、よほどのことがなければ情熱カメラは向けられないでしょう。なので、どうかみなさんのレンズは、こちらに向けていてください。大陸と呼べるほどの規模ではないかもしれませんが、きっと「ふかわ大陸」が見えてくるはずですから。