「勝海舟」子母沢寛安岡が、にやにやしながらかえって来た。竜馬は、おお、小指(彼女)が来たか、とすぐ言った。「さっき着いたよ」「そうか、しかし、あの人あ実によく出来た人だねえ」「悧巧(利口)だが、その悧巧が、これっぽっちも表へ出ない、あんなのが本当の悧巧というのだなあ」