中国の武漢市において、令和元年12月以降、新型コロナウイルスによる肺炎の発生が報告され、中国を中心に、世界各国からも発生が連日報道されています。当初の中国政府の発表とは異なり、ヒトからヒトへの感染が認められていることからも厳戒態勢が敷かれています。既に留学を決められ渡航前の方や、現在カウンセリング中の方々の中には、今回の件を受けて渡航を躊躇されている方もいらっしゃるかと思います。そこで、同ウイルスに対する各国の対策や学校における感染予防対策をまとめます。
フィリピン
現状は?
昨日(2月3日)の時点で、フィリピン大統領から中国籍問わず、フィリピン国籍及び永住者以外、香港やマカオを含む、中国全土からの入国を禁ずる発表がなされており、さらにはフィリピン人に対しても中国全土への渡航禁止令が出ております。国としての水際対策はうまく機能しているとの見方が多くなっております。1名の死亡者が出ておりますが、感染者数は未だ2名が発表されているのみとなります。
国や学校の対策は?
学校ごとに若干の違いはありますがおおむね下記のような対策を講じております。
- 在学中の学生に公共の場や人が多い場所への出入りの注意呼びかけ
- マスク要求時に無料提供、およびマスクの使用推奨
- ハンドソープ・アルコール消毒剤の設置
- 防疫/クリーニング強化
- 体温計配置、常時チェック
- 肉・卵・その他食材の入念な調理
- 症状が見られた場合の迅速な対応
- 学校スタッフ・先生のマスク着用
- ステンレス製カップ・トレイを常に熱湯除菌
- お湯(飲料)の常時提供
- 動物との接触を避けるよう呼びかけ
- 看護師常時勤務
他には?
- 2月3日(月)から2週間の期間(潜伏期間とされる14日)は全学生に対しリゾートエリア及びショッピングモール、アイランドホッピング等の参加取り止めを推奨
- 2月3日(月)のオリエンテーションより、ショッピングモールの案内を控え、スーパーマーケットへ変更
- 全従業員に対しても、体温チェック及び、通院履歴を確認し、感染ルートをできる限り遮断するよう対策
まとめ
各学校の迅速かつ柔軟な対応/対策のおかげで、少なくとも当社が提携している学校では被害はありません。国レベルで見ても日本よりも厳戒態勢が敷かれています。今後も発熱・咳・息切れ・呼吸困難・その他呼吸器系の症状が見られた際には、同ウイルス感染の可能性も考えられる為、即時対応をする形となります。飛沫感染や接触感染に充分留意し、事後経過を見ていく必要があります。
オーストラリア
現状は?
中国で感染者が多発している新型コロナウイルスでオーストラリア政府は注意勧告を発表しました。州保険省および州教育省は過去2週間で中国本土・香港を訪れた子供たちが、帰国後14日が経過するまで学校や保育サービスに参加しないよう通達しています。2月1日、豪州政府は、新型コロナウイルスの水際対策として新たな措置の導入を決定しました。これによりますと、本日以降、中国本土に立ち寄った外国人(豪州永住者を除く)は、中国本土を出国または通過した時点から14日間は豪州に入国できなくなります。豪州国民と永住者、及び家族(配偶者等)はこの対象外です。この措置は一時的なもので、14日後に再検討される予定です。この措置にもかかわらず豪州に到着した外国人で直ちに引き返さない場合は、強制検疫の対象になるそうです。
豪州政府の発表はこちら
●在シドニー日本国総領事館
中国における新型コロナウイルスに関する注意喚起(その6)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2020C021.html
国や学校の対策は?
- 空港で体温チェックがあり、熱がある方は検査を受けてもらいます。
- 過去14日以内に中国にいった方は入国できません。
- 現在NSW州では4名発症者が確認されておりますが、全員が隔離病棟におります。(日本の面積の2倍以上のあるNSW州で4名のみということで現地ではあまり不安がっていない気配があります。)
- 中国からのフライトにキャンセルが出ております。
- 中国からの新入生または過去14日以内に中国に一時帰国をしていた生徒は通学を禁止としております。
- また14日たった後も、病院での診断書を提示いただいた上で通学していただくようにしております。
- 新しい生徒のフライト情報を確認し、どこの都市を経由したかも確認しております。
- 学校内ではうがい、手洗いを推奨するよう授業内でも呼びかけを行い、校内に消毒用にアルコールを各階置いております。
- 中国のエージェント、保護者、生徒に向けて、随時情報の更新と学校からの通達をしております。
まとめ
フィリピン同様、当社が提携している学校では、現時点で感染した生徒はおりません。オーストラリアは入国管理局が厳しくしてくれている為、最小限の人数で感染を抑えられているようです。下記、最新のニュースと移民局のアップデートのURLです。
https://www.news.com.au/travel/travel-updates/health-safety/queenslands-premier-demands-government-ban-china-flights-after-tenth-australian-case-confirmed/news-story/6006599d9ddfef68bcc01890a2f0156a
https://www.foreignminister.gov.au/minister/marise-payne/media-release/updated-travel-advice-protect-australians-novel-coronavirus
オーストラリアの航空会社カンタス航空は北京と上海の便を3月29日まで一旦キャンセルすることに決定しました。オーストラリアへご渡航の方は航空券手配は香港や中国経由でなく極力直行便でご予約されますようお願い申し上げます。2月2日(日)時点でのホームステイの現状お伝えしておきますと現在1件ホームステイ先から新型コロナウイルスで懸念され受け入れをキャンセルされました。日本からダイレクトで来るか聞くホームステイファミリーも増えております。
https://southaustralia.com/
ニュージーランド
現状は?
ニュージーランド政府は新型コロナウィルスへの対策として、2月3日(月)付けで下記のように中国からの入国を制限することを発表いたしました。
- 中国本土からの渡航者、または中国本土経由の渡航者全ての入国を拒否する。
- 香港、台湾、マカオは例外とする。
- ニュージーランド市民、ニュージーランド永住権保持者とその直近の家族は例外とする。
- ニュージーランドを居住地とするオーストラリア市民、オーストラリア永住権保持者は例外とする。
- この措置は2月3日より14日間の予定だが、48時間毎に再考される。
国や学校の対策は?
現在の所、ニュージーランドでは新型コロナウィルスの感染者は確認されておりません。
各学校では、既に入国している中国からの生徒に14日間の待機期間を設けるなどの対応をしています。
ニュージーランド保健省の最新情報は下記リンクよりご確認いただけます。
https://www.health.govt.nz/our-work/diseases-and-conditions/novel-coronavirus-2019-ncov
まとめ
今の所、日本からの直行便で渡航される生徒様への直接的影響はあまりございませんが、オーストラリア同様、中国経由の便では渡航できませんので、経由便をご利用の方は代替の便が必要となります。また入国審査の自動ゲートが閉鎖され、ニュージーランド人を含む全ての入国者は入国管理官と対面での審査を受けることになりました。学生ビザやワーキングホリデービザなどをEビザでお持ちの方は、入国審査の際に、必ずパスポートと一緒にビザのプリントアウトを提出するようお願いいたします。(当社の提携オフィスから、ワーキングホリデーの方でパスポートだけを提出した為に、観光ビザで入国された方がいたとの報告が入っております。移民局のミスとはいえ、後日訂正にお金がかかった事例があったそうです。)さらにニュージーランド移民局の北京オフィスが閉鎖されたため、ビザの審査に時間がかかることが予想されます。これからビザ申請をする方には、早めにお手続きをお進め下さい。
カナダ
現状は?
●ブリティッシュコロンビア州
現在、コロナウイルス感染が確定したケースは2件となっており(1月30日に行われた114件のサンプルテスト中)、現在のところ感染のリスクは低いとみられているようです。
コロナウイルスの最新情報はBC Centre for Disease Controlのサイトにて確認することが出来ます。
http://www.bccdc.ca/about/news-stories/stories/2020/information-on-novel-coronavirus
(平日の毎朝アップデート)
●オンタリオ州
現在、コロナウイルス感染が確定したケースは3件となっており(1月30日に行われた139件のサンプルテスト中)、現在の所感染のリスクは低いとみられているようです。
コロナウイルスの最新情報はOntario州政府のサイトにて確認することが出来ます。
https://www.ontario.ca/page/2019-novel-coronavirus-2019-ncov
(平日の午前10時30分アップデート)
国や学校の対策は?
- 現在の所、カナダでは新型コロナウィルスの感染者はほとんど確認されておりません。
- 語学研修機関の場合、ビザ発行要件上の事由により、中国本土からの留学生はごく少数というのも要因の一つです。
- その上で現時点では今後渡航予定(コース開始予定)の中国及び香港・マカオからの生徒さん方には渡航時期の延期をお願いをしています。
- 各学校の生徒向けに、感染予防のための基本的なご案内や、ご相談などがあった際にサポートを行える体制を整えております。
- 合わせまして、日本国内では留学先現地でのアジア人差別などを心配されるケースなども発生しているかと思われますが、これを受けて各学校では、各教室やSNS、オンラインツールを通じて、特定人種や国籍の人々に対する疎外行為や差別的言動を一切認めないことを、共通のポリシーとして改めて周知を行っております。
まとめ
特筆すべき注意点はいまのところありませんが、オセアニアやフィリピンのような政府の勧告もないレベルではありますが、感染のスピードが非常に早く、刻々と状況が変わっております。最新情報のご確認をお願い致します。
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