マイケル・ムーア見ています | 日経平均先物オプション報告書

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2010年10月に専業になってしまいました。大金稼げなくてもいいので子供が一人前になるまで生き残れれば十分です

季節柄でしょうか。政治っぽい話題が周りに多いかも。最近遅まきながら行き帰りの通勤電車の中でPSPに動画を落としてマイケル・ムーアのドキュメンタリー映画を見ています。「それは誰だ?」という人はぐぐってください。私はリベラルでもなけりゃ保守でもない、右でもなけりゃ左でもない。一昔前の言葉で言うとノンポリっていうんでしょうけど、この人の映画は面白いです。この人の思想(バリバリのリベラル、民主党寄りらしいです)が面白いというより、アメリカという国はどういう国なのか、もっと言えばどういう思考回路の国なのかがわかるような気がします。一応世界経済の中心はアメリカらしいので、相場を触っているうえで知っておいても損はないでしょう。

まず理屈では分かっていましたが、実際に見ると民主党と共和党の争いというか主張の違いによる論争ってすごいものがありました。日本での自民党と民主党どっちを選ぶ?なんていうのはそれと比較すると子供の喧嘩ですね。そもそも自民党と民主党といっても、結局はおおもとの根っこは一緒という感じですが、米国の民主党と共和党って映画の中では完全に水と油という感じ。んなもんだから、選挙ではまさに国を二分する戦いで、お互いに半分取っ組み合いになりそうな勢いで論争してる。とてもじゃないが、あんな風に鍛えられている国に対して、一応意見の違いはあるけど、みんな仲間じゃない?という雰囲気の日本人が討論して勝てるとはとても思えないですねえ。

あとアメリカは成果主義・実力主義の国というイメージでしたが、「誰もが常にカモを見つけようとしている国」という印象を受けました。ようするに誰かを搾取することで利益を獲得する、搾取できる相手が多いほど利益が得られる。そして誰もが搾取できる相手を探している。そういう国なんじゃないのかと思い始めました。それじゃあ、いわゆるアメリカ国内の少数派は搾取されているだけの存在なのかというと、これまた違うと。そういう人たちが買い物にいく安売りのウォルマートは外国で低賃金で働いている人たちが作ったものを売っている。ようするに国境を超えて搾取のネットワークになっている。

医療制度も驚きました。日本ではけがをしたり病気になったらすぐに近くや知っている病院に行く。あたり前だと思っていましたがアメリカは違うんですね。まず保険会社に電話する。日本では一応国民皆保険が建前ですが、アメリカではそれを民間が肩代わりしています。その代り、まず保険会社にお伺いをたてるそうです。「あの病院に行っていいか」「あの治療は受けられるのか」「この治療はおこなってもいいか」。事前に聞かないとあとから保険が下りないことがあるそうです。んなアホな、と思うのですが、なんで政府でそういう保険制度をやらないんだと思ったら、反対する人の意見として、どうも政府介入=社会主義、共産主義ということらしいです。というか病的に共産主義・社会主義を嫌っている人が多くないかという印象です。

アメリカという国は、さすが自由資本主義の盟主と言われるだけのことはあると思いました。高度に自由主義、資本主義が昇華されているという感じです。そこまで純度を高める必要があるのかと思いますが。何せ昔に作った映画の話ですし、アメリカにも行ったことのない私の感覚ですのでずれているところは多々あるでしょう。今度は一度アメリカに行ってみようかと思いましたが、反面あんまり居心地のよさそうな国じゃないかなという印象もあります。子供たちも一度はアメリカとか、世界を飛び回るような大物になってほしいもんですが、少なくともアメリカに住みつくのは勘弁してほしいという気持ちが強くなってるかな。あんまり難しいこと考えてもしょうがないですが、私も市場からできるだけ多くの金をぶんどりたいという姿勢ですし。ただあまりにも搾取したりされたりというシステムの国も嫌ですし、やっぱり日本くらいがちょうどいいや、というありふれた結論。