解散から7年後の1981年、かつてのメンバーであるビル・ブラッフォードと共同で、新プロジェクトを開始したロバート・フリップは、レコード会社の商業的な意向もあって、かつてのバンド名義で活動を再開します。

この年、8thスタジオ・アルバムを発表した彼等は、初来日公演も実現すると、翌年にもアルバムを発表しますが、元々、前作のみのプロジェクトだったと思われることから新たなアイデアにも乏しく、彼にとっては不本意な一枚となってしまうのでした。

そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
M1:スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー
M2:モデル・マン
M3:スリープレス
M4:マン・ウィズ・アン・オープン・ハート
M5:ヌアージ
M6:インダストリー
M7:ディグ・ミー
M8:ノー・ウォーニング
M9:太陽と戦慄パートⅢ

1984年に発表された、全英30位を記録した彼等の10thスタジオ・アルバム、キング・クリムゾンの『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー』です。

アルバムを発表する毎にメンバー・チェンジを繰り返していた彼等が、このアルバムも含めて3作同じメンバーで制作されていますが、フリップは、新生クリムゾンをスタートさせた時点から3部作で完成させる青写真が出来上がっていたようですが、一方で、レコード会社との契約で、アルバム3枚リリースすることが条件にあったようです。
また、タイトルの“スリー”は、“音楽”、“プレイヤー”、“観衆”の三位一体の関係を意味するもののようです。

アナログ盤でのA面を‘レフトサイド’、B面を‘ライトサイド’としていて、A面には比較的ポップなナンバーを、B面には本来のプログレ色の強い演奏が収められていますが、やはり何よりの話題は、再び取り上げられたM9でしょう。
そして、先行シングルとしてM3(c/wはM5)がリリースされて全英79位を記録して、このアルバムも全米58位を記録、ドイツでも58位を記録して、日本でもオリコン37位を記録しました。

アルバム発表後、彼等は2度めの来日公演を行って、北米ツアーを経て再び解散を表明するわけですが、個人的には『ディシプリン』で彼等は完結したとしか思えず、このアルバムを含めた直近の2作品を、コアな彼等のファンはどう思っているのか気になる一枚です。