1978年1月、自身が監督をして主演も務めた映画『レナルド&クララ』がアメリカで公開されますが、内容が難解すぎると評論家筋から不評を買って、興行的には失敗に終わってしまいます。

その一方で、彼は12年ぶりとなるワールド・ツアーを開始すると、これまでずっとファンが熱望していた日本公演が実現するのでした。

そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
[DISC1]
M1:ミスター・タンブリン・マン
M2:崖からの隠れ場所
M3:ラヴ・マイナス・ゼロ/ノー・リミット
M4:やせっぽちのバラッド
M5:くよくよするなよ
M6:マギーズ・ファーム
M7:コーヒーもう一杯
M8:ライク・ア・ローリング・ストーン
M9:アイ・シャル・ビー・リリースト
M10:イズ・ユア・ラヴ・イン・ヴェイン
M11:ゴーイング・ゴーイング・ゴーン

[DISC2]
M12:風に吹かれて
M13:女の如く
M14:オー・シスター
M15:運命のひとひねり
M16:見張塔からずっと
M17:アイ・ウォント・ユー
M18:オール・アイ・リアリー・ウォント
M19:天国への扉
M20:イッツ・オールライト
M21:いつまでも若く
M22:時代は変る

1978年に発表された、全米13位を記録した彼にとって3作目となるライヴ・アルバム、ボブ・ディランの『武道館』です。

日本限定でリリースされたこのアルバムは、その後、オーストラリアや欧米でもリリースされて、全米で13位、全英で4位を記録したほか、ノルウェーで2位、ニュージーランドで3位、スウェーデンでは4位を記録するなど、世界中のヒットチャートを賑わせましたが、当の日本では、この年、日本先行でライヴ・アルバムを発表してオリコン12位を記録した、チープ・トリックの『チープ・トリックat武道館』と共に、欧米でのライヴ会場としての“武道館”の知名度を上げたアルバムとなりました。

しかし、大編成のバックバンドにコーラスを従えて、オリジナルとは異なる大胆なアレンジで演奏されていて、古くからのファンからは戸惑いや批判的な評価も少なくはありません。

後年のインタヴューで彼は、“手を引っ張って日本に連れて行かれライヴ・アルバムを作らされた”と語っているこのアルバムは、この時点での彼のベスト・オブ・ライヴと言える一枚です。