1985年に発表されて、全英21位を記録した2ndアルバムの完成直後に、彼等は、次作としてセルフプロデュースによるアルバムをレコーディングをしますが、タイミングと内容的に不適当と判断したレコード会社はリリースを見送ってしまいます。

そして、1988年に発表したシングルが全英7位を記録するヒットとなり、商業的な成功を収めたこともあり、プロモーションを考えた際に、この曲が収録されているアルバムを先に出さないと、リスナーが混乱するとのレコード会社の判断で、またしてもこのアルバムは日の目を見ることができなかったのでした。

そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
M1:ザ・ワールド・アウェイク
M2:ライフ・オブ・サプライジズ
M3:ホームチャイムズ
M4:ウィキッド・シングス
M5:ダブリン
M6:ティファニーズ
M7:ダイアナ
M8:トーキン・スカーレット
M9:ティル・ザ・カウズ・カム・ホーム
M10:パーリー・ゲイツ

1989年に発表された、全英18位を記録した彼等の4thアルバム、プリファブ・スプラウトの『プロテスト・ソングス』です。

セルフプロデュースによるこのアルバムは、実質的には彼等の3rdアルバムと言えるもので、2ndアルバム『スティーヴ・マックィーン』が青春の苦悩や葛藤が混然としてモゴモゴとしているような彼等の魅力を、プロデューサーのトーマス・ドルビーがエレクトロニクスを駆使したものであったのに対して、何も着飾らずに作りものっぽさが微塵も感じられない、シンプルでストレートな内容になっています。

また、サウンド的にも先にリリースされた『ラングレー・パークからの挨拶状』との中間に位置している印象ですが、プロモーションもあまりされず、シングルカットもされなかったこともあり、当初は日本のみ(それほど絶大な人気を博していたとは思えませんが)でのリリースとなりました。

リズムの刻み方やコード進行がスティーリー・ダンぽいM1や、アレンジやヴォーカルがスタイル・カウンシルぽいM6など、かえって○○ぽさをより明確にしてしまっているところもありますが、このアルバムは、あるがままの姿な彼等の証明写真のような一枚なのです。