1970年にアムステルダムで結成された彼等は、ショッキング・ブルーと並んで、国際的に成功したオランダのロックバンドとして知られています。

1971年に発表された、彼等の2ndアルバムからシングルカットされた、ハードでキャッチーなギターのリフと、ヨーデルを用いたヴォーカルが合体した非常にインパクトがある「悪魔の呪文」が世界的なヒットとなり、彼等は一躍人気バンドとなって、英米でも注目されるようになるのでした。

そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
[DISC1]
M1:ラウンド・ゴーズ・ザ・ゴシップ
M2:ラヴ・リメンバード
M3:シルヴィア
M4:カーニヴァル・フーガ
M5:フォーカス Ⅲ
M6:アンサーズ?クエスチョンズ!クエスチョンズ?アンサーズ!
M7:アニノマス Ⅱ(パート1)

[DISC2]
M8:アニノマス Ⅱ(コンクルージョン)
M9:エルペス・オブ・ノッティンガム
M10:ハウス・オブ・キング

1972年に発表された、本国オランダでキャリアハイとなる1位を獲得した彼等の3rdアルバム、フォーカスの『フォーカス Ⅲ』です。

前作に続いてマイク・ヴァーノンのプロデュースによるこのアルバムは、前作のレコーディング後にベーシストのシリル・ハフェルマンスがソロ活動のために脱退したことから、新たにベルト・ライテルを迎えて制作されて、全英で6位、全米では35位を記録して、日本では、1973年にリリースされてオリコン88位を記録しました。 
因みに、米国盤のジャケット・カヴァーはこちら↓

先行シングルとしてリリースされたM3(c/wはM2)は、タイス・ファン・レールがフォーカス結成前に作曲した楽曲が原型で、歌詞の代わりにヨーデルを取り入れて改作したもので、本国オランダでは9位を記録、イギリスではM10とのc/wでリリースされて全英4位を記録、アメリカでは彼等のシングルとして初めてチャートインしたものの全米89位と低調でした。

M9は、同時期にヤン・アッカーマンが制作していた2ndソロ・アルバム『プロフィール』に収録されたリュートの独奏曲「吟遊詩人」に、リコーダー、シングル・ドラムビート、小鳥のさえずりと牛の鳴き声が加えられた楽曲となっていて、また、M10は、1970年に彼等がオランダで発表したデビュー・アルバム『フォーカス・プレイズ・フォーカス』リリース後に新曲としてレコーディングした楽曲で、翌年、シングルとして発表されて最高位10位を記録、アルバムも、インターナショナル盤『イン・アンド・アウト・オブ・フォーカス』として再発された際には追加収録されました。
因みに、このアルバムにはオリジナル・メンバーによるヴァージョンが収録されています。

このアルバムは、前作『ムーヴィング・ウェイヴ』の世界的な成功で彼等の自信も感じられる一枚です。