1974年、コンサート中に感電事故に遭い重傷を負ったベーシストのゲイリー・セインは、バンド復帰を果たしたものの、薬物中毒から脱却することができずに解雇されてしまいます。

そして、彼等は、レコーディングにキング・クリムゾン解散後はロキシー・ミュージックのツアーに参加していたジョン・ウェットンをベーシスト兼ヴォーカルとして迎えて、アルバムを完成させるのでした。

そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
M1:幻想への回帰
M2:シェイディ・レイディ
M3:デヴィルズ・ドーター
M4:ビューティフル・ドリーム
M5:プリマ・ドンナ
M6:忘却への道
M7:ショーダウン
M8:去ったのは何故
M9:一年か一日か
M10:シャウト・イット・アウト ※
M11:ザ・タイム・ウィル・カム ※
M12:ビューティフル・ドリーム (未発表音源) ※
M13:幻想への回帰 (エディテッド·ヴァージョン) ※

1975年に発表された、全英7位を記録した彼等の8thスタジオ・アルバム、ユーライア・ヒープの『幻想への回帰』です。

ジェリー・ブロンのプロデュースによるこのアルバムは、彼等にとって唯一の全英トップ10入りを果たし、ノルウェーで2位、オーストリアで3位を記録するヒットアルバムとなった一方で、日本ではオリコン74位、全米では85位と、4thスタジオ・アルバム『悪魔と魔法使い』以降のアルバムとしては初めて全米トップ40入りを逃しました。
因みに、※印は、1996年にリマスターCD化された際のボーナス・トラックです。

先行してシングルカットされたM5(c/wはM10)は、ノルウェーでは12週連続トップ10入りを果たして、最高位は3位を記録しました。
また、M13(c/wはM11)は、オランダで34位を記録しました。

彼等の最高傑作とされる『悪魔と魔法使い』等と比べると一貫性に欠けますが、このアルバムは、セイン在籍時のバンドのケミストリーとは異なる彼等らしさが感じられる一枚です。