イギリスの音楽誌Qが選定した“歴史上最も偉大な100人のシンガー”において29位にランクインされた彼女は、1963年のソロとしてのデビュー曲は、全英のみならず全米でも大ヒットとなります。

以後数年はヒットチャート上位の常連となった彼女は、1968年にはグループ時代でツアー中で訪れたアメリカ・テネシー州でモータウン・サウンドに感化されて、全曲R&Bのアルバムをテネシー州メンフィスで地元の腕利きミュージシャンとのアルバムを発表しますが、商業的には失敗するも、評論家筋から高評価を得ました。

しかし、その後は制作現場でのトラブルや、アルコールやドラッグの依存等、彼女自身の問題もあって長い間スランプに陥るのでした。

そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
M1:この胸のときめきを
M2:風のささやき
M3:行かないで
M4:サニー
M5:恋と涙の17才
M6:二人だけのデート
M7:ジャスト・ア・リトル・ラヴィン
M8:永遠にあなたと
M9:プリーチャー・マン
M10:帰り来ぬ青春
M11:恋の面影
M12:ジス・ガイ
M13:ウィリー・アンド・ローラ・メイ・ジョーンズ
M14:愛のさざなみ
M15:フー・ゲッツ・ユア・ラヴ
M16:アイ・ジャスト・ウォンナ・ビー・ゼア
M17:偽りの土地
M18:オールド・スウィート・ロール
M19:どんなものにも終わりはあるさ
M20:さよならのいい方を

1991年に発表された、彼女のベスト・アルバム、ダスティ・スプリングフィールドの『この胸のときめきを〜ダスティ・スプリングフィールド・ベスト・セレクション』です。

全英4位を記録したデビュー曲のM6は、全米でも12位を記録、その後、多くのアーティストにカヴァーされますが、1976年に全英4位を記録した、ベイ・シティ・ローラーズ、1979年に全英4位を記録したザ・ツーリスツのカヴァーが有名でしょうか。

キャリア唯一の全英No.1ヒットのM1は、元曲はエルヴィス・プレスリーのカヴァーでも知られる、サンレモ音楽祭で歌われたカンツォーネで、日本では栄養ドリンクのCMソングとして使用されました。

ミシェル・ルグラン作曲による全米31位を記録したM2は、1968年に公開された映画『華麗なる賭け』の、バート・バカラック作曲による全米22位を記録したM11は、1967年に公開された映画『007 カジノ・ロワイヤル』の主題歌で、全英9位を記録したM9は、1994年に公開された映画『パルプ・フィクション』のサントラに使用されました。

このアルバムは、全盛期は短かったものの後世のアーティストに敬愛されている彼女の入門盤として最適な一枚です。

そして、1999年の今日、1994年に乳癌と診断されて治療を続けていた彼女は、59歳という若さで亡くなってしまうのでした…