1972年、福岡から上京しデビューした彼等は、3rdシングルがオリコン1位を獲得する大ヒットとなって、フォークや歌謡曲が主流だった当時の日本の音楽シーンに新風を吹き込みます。

“日本のビートルズ”とも呼ばれて、英国風の音楽センスと日本的情緒を融合させたサウンドで一世を風靡した彼等は、全国各地のホールを回りながらファンを増やしていき、1976年に札幌と福岡で行われた彼等のステージはライヴ・アルバムとしてリリースされましたが、収録音源の9割が札幌公演の演奏で、地元の博多公演の音源は暫く倉庫で眠ることになるのでした。

そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
[DISC1]
M1:ハーモニー
M2:新しい地球をつくれ
M3:あのバスを停めて!
(MC: 財津和夫)
M4:あこがれ、花の東京
M5:私のアイドル
(MC: 安部俊幸)
M6:魔法の黄色い靴
M7:一人の部屋
M8:サボテンの花
M9:千鳥橋渋滞
M10:私の小さな人生
M11:僕が作った愛のうた
(MC: 財津和夫)
M12:ぼくの胸毛は長い
M13:はしれ!ムーン号
M14:もしも僕が
M15:風見鶏
M16:ここはどこ
(MC: 財津和夫)
M17:風のメロディ
(MC: 安部俊幸)
M18:ふたつの鍵

[DISC2]
(MC: 財津和夫)
M19:今日の誓い
M20:マイ・ボニー
M21:恋におちたら
M22:娘が嫁ぐ朝
M23:甲子園
M24:都会
M25:せめて最終電車まで
M26:メドレー
a)悲しきレイン・トレイン
b)心の旅
c)組曲
悲しみはいつも
ぼくは陽気なのんきもの
笑顔をみせて
d)明日の風
M27:人生ゲーム
(MC: 財津和夫)
M28:青春の影

[DISC3]
M29:MC〜チューリップがおるけん、博多たい
M30:ヒッピー・ヒッピー・シェイク
M31:ドゥ・ユー・ワナ・ダンス
M32:ジョニー・B・グッド
M33:レディ・マドンナ
M34:夢中さ君に

2023年に発表された、彼等のデビュー50周年を記念して再復刻された伝説のステージを収録したライヴ・アルバム、チューリップの『ライヴ‼ アクト チューリップ 1976 HAKATA〜チューリップがおるけん、博多たい』です。

1976年に発表された彼等のライヴ・アルバム『LIVE ACT TULIP VOL.2』にこの博多公演の音源の一部が収録されていましたが、このアルバムは、2008年に発刊された豪華本『THE TULIP COMPREATE 』の付属CDとして復刻されて、その後絶版になっていた完全版音源をレストア&リマスター化したものです。
因みに、“LIVE ACT TULIP”は、1973年の今日、渋谷公会堂で催されたコンサートで初めて冠された彼等のツアー名で、2008年まで使用されました。

ライヴ喫茶‘照和’からスタートした彼等のライヴが、ライヴハウス、ホール、そしてアリーナクラスへと拡大していった彼等の凱旋ライヴとも言える歴史的コンサートは、DISC3のアンコール冒頭での、財津和夫が叫ぶ「チューリップがおるけん、博多たい!」の一言に、溢れるような彼等の自信が窺えます。

このアルバムは、ライヴバンドとしても脂が乗りきっていた彼等のステージを楽しむことができる一枚です。